旅館/宿・旅館関連情報

旅もしてるし、お金も使う!若者の旅の新常識とは!?(2ページ目)

株式会社オールアバウトが運営するマーケティング・チャネル「生活トレンド研究所」は、第10弾のレポートとして、旅行やマーケティングの専門家3名を研究員ガイドが参加し、「旅行」に関するアンケート調査を実施しました。調査期間は2013年8月5日(月)~2013年8月7日(水)、1都3県在住の20~64歳男女計1011名から有効回答を得ました。

山田 祐子

執筆者:山田 祐子

旅館ガイド

“みんなで”旅をつくってしまおう!

生活トレンド

みんなで旅をつくるソーシャル旅行サービス「トリッピース」

団体周遊型の旅行商品に魅力を感じられない若者は、自ら旅行をつくり始めました。その好例が「みんなで旅を作るソーシャル旅行サービス“trippiece(トリッピース)”」です。

 
これは、若者が得意とするSNS上で、ユーザー自身が旅を発案して参加者を集め、参加者同士で旅を作り上げていく「プラットフォーム」の役割を果たすインターネットサイトで、晴れて最少催行人数が集まった場合には、旅行会社に見積りを依頼することができます。

注目すべきは、単なる仲良しサークルではなく、既存の旅行会社を巻き込んだ新たなビジネスモデルを生んだことでしょう。実際は若者だけでなく60代の参加者もあるようです。新たな旅行需要を創出する可能性を感じます。
※トリッピースは、観光庁が主催する「第一回『今しかできない旅がある』若者旅行を応援する取組表彰」にて、観光庁長官賞も受賞しています。

 

旅館が減っても簡易宿所は増えている

生活トレンド

Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE

厚生労働省発表の「生活衛生関係営業施設数の年次別推移」によれば、旅館業の数は減り、民宿・ペンション・ゲストハウス・バックパッカーズ宿の数は増える傾向にあるという統計が出ています。

 
その代表事例としては、全国で11施設を展開する“カオサングループ”や都内に2施設を運営する“Backpackers’ Japan”など。国内ゲストハウスを集積した総合サイト“JAPAN BACKPACKERS LINK”も登場しています。

 

簡易宿泊所が増えているその訳とは

生活トレンド

グラフ(4)2年間で宿泊した施設(民宿・ペンション)

そうした民宿・ペンション、ゲストハウス・バックパッカーズ宿の実際の利用状況はどうかというと……

グラフ(4)「2年間で宿泊した施設(民宿・ペンション)」とグラフ(5)「2年間で宿泊した施設(ゲストハウス・バックパッカーズ宿)」を見てみると、他の世代に比べて20代の利用が多いことが分かります。

 

生活トレンド

バックパッカーの為の総合情報集積所「ジャパン・バックパッカーズ・リンク」

これらの宿に泊まる目的は、従来の「安いから泊まる」だけではなく、「宿から世界につながる」です。外国人旅行者の受け入れ施設としてはもとより、日本の若者が利用する場合、「国際交流の場」として意味合いが強いようです。

 

今回の調査で、若者は多様に旅をしていることが分かりました。宿はスマートフォンで検索をし、交通手段は安価のバスツアーやLCC(格安航空会社)で移動する、というのが若者流の「今どきの旅行」。パッケージツアーを主体とする旅行会社の統計調査では実態を把握し切れないのが現状だと思います。

「企画は若者に託し、仕組みで利益を享受する」。旅行業者も、発想を転換し、新たなビジネスモデルを創造することで、新たなビジネスチャンスもあるのではないでしょうか。
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