“みんなで”旅をつくってしまおう!
団体周遊型の旅行商品に魅力を感じられない若者は、自ら旅行をつくり始めました。その好例が「みんなで旅を作るソーシャル旅行サービス“trippiece(トリッピース)”」です。注目すべきは、単なる仲良しサークルではなく、既存の旅行会社を巻き込んだ新たなビジネスモデルを生んだことでしょう。実際は若者だけでなく60代の参加者もあるようです。新たな旅行需要を創出する可能性を感じます。
※トリッピースは、観光庁が主催する「第一回『今しかできない旅がある』若者旅行を応援する取組表彰」にて、観光庁長官賞も受賞しています。
旅館が減っても簡易宿所は増えている
厚生労働省発表の「生活衛生関係営業施設数の年次別推移」によれば、旅館業の数は減り、民宿・ペンション・ゲストハウス・バックパッカーズ宿の数は増える傾向にあるという統計が出ています。簡易宿泊所が増えているその訳とは
そうした民宿・ペンション、ゲストハウス・バックパッカーズ宿の実際の利用状況はどうかというと……グラフ(4)「2年間で宿泊した施設(民宿・ペンション)」とグラフ(5)「2年間で宿泊した施設(ゲストハウス・バックパッカーズ宿)」を見てみると、他の世代に比べて20代の利用が多いことが分かります。
これらの宿に泊まる目的は、従来の「安いから泊まる」だけではなく、「宿から世界につながる」です。外国人旅行者の受け入れ施設としてはもとより、日本の若者が利用する場合、「国際交流の場」として意味合いが強いようです。
今回の調査で、若者は多様に旅をしていることが分かりました。宿はスマートフォンで検索をし、交通手段は安価のバスツアーやLCC(格安航空会社)で移動する、というのが若者流の「今どきの旅行」。パッケージツアーを主体とする旅行会社の統計調査では実態を把握し切れないのが現状だと思います。
「企画は若者に託し、仕組みで利益を享受する」。旅行業者も、発想を転換し、新たなビジネスモデルを創造することで、新たなビジネスチャンスもあるのではないでしょうか。