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開拓精神とバイタリティ溢れる男たち「アラスカ物語」

明治中期、飢餓に苦しむエスキモーのために、新天地ビーバー村を築いた日本人フランク安田の波瀾万丈の半生を描いた作品。原作者の新田作品に共通するテーマは、実話を基に、極地や山岳を舞台にして世間からは黙殺されながらも何事かを成し遂げた無名の男たちを描くというもの。この映画で描かれるフランクの人生は、まさに事実は小説よりも奇なりの面白さがあります。

投稿記事

フランク安田の波瀾万丈の半生を描いた作品

■作品名
アラスカ物語(77)
■監督
堀川弘通
■主演
北大路欣也、三林京子
■商品情報
DVDなし
■出版社
新潮社


1970年代後半、東宝は『八甲田山』(77)、『聖職の碑』(78)と新田次郎の原作を続けて映画化しました。
この映画もそのうちの一本です。

明治中期、飢餓に苦しむエスキモー(イヌイット)のために、新天地ビーバー村を築いた日本人フランク安田の波瀾万丈の半生を描いたもので堀川弘通が監督をしています。

新田作品に共通するテーマは、実話を基に、極地や山岳を舞台にして、世間からは黙殺されながらも何事かを成し遂げた無名の男たちを描くというもの。

この映画で描かれる、単身アメリカの貨物船に乗り込み、イヌイットの村に住みつき、金鉱を発見し、イヌイットを大移動させるというフランクの人生は、まさに事実は小説よりも奇なりの面白さがあります。

明治人の開拓精神とバイタリティにはほとほと頭が下がります。

『八甲田山』で高倉健と共に主役を張った北大路欣也がフランクを演じ、語り部としてナレーションも担当しています。

日本人の俳優が平気でイヌイットを演じ(フランクの妻になる三林京子が好演)、最後にインディアンの族長役で丹波哲郎が出てくるあたりはかなり強引なのですが、これが良くも悪くも70年代の日本映画が持っていた力技なのです。

絶景に負けない佐藤勝の壮大な音楽も素晴らしいです。

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