原子力発電所が人を変え、町自体が飲み込まれていく
■作品名原子力戦争
■監督
黒木和雄
■主演
原田秀雄
■DVD販売元
キングレコード
災害をきに、原子力発電所にスポットライトが当てられている今日、34年前にもこの原子力発電所について取り上げた映画がありました。それがこの原子力戦争です。この映画では、東北の港町を舞台に反対派と賛成派の対立を描いています。
ドキュメンタリータッチで、坂田という都会から来た男がその反対派や賛成派の争いに巻き込まれていく姿が描かれています。少し推理ドラマのようなストーリー展開で、サスペンス的な要素も含まれています。
原子力発電所ができる前までは、その港町は平穏に包まれた静かな港町でした。それが、作られてからは心中死体が見つかったり、町の若者から笑顔が消えてしまうようになったのです。
坂田を早く町から出したいという若い男の謎や、坂田を数人の男が出てきて襲うというトラブルもあったりと、不可解な町民達の動きに謎が隠されています。
坂田としては、その謎を解こうと頑張りますが、その姿が町民にとっては面白くないのです。いかに原子力発電所が人を変えてしまい、町自体が飲み込まれてしまうかがよく分かる映画です。町が潤っても、人の顔から笑顔が消えてしまい、複雑な人間模様を描いた考えさせられる作品です。