今こそ知るべきである学生運動の世界観とは……
■作品名いちご白書
■監督
スチュアート・ハグマン
■主演
ブルース・デイヴィソン、キム・ダービー
■出版社
角川書店
概ねこのタイトルを目にすると、ユーミンが作ったのあの曲が真っ先に連想されるようです。
それはユーミンが当時、付き合っていた彼氏と一緒に観たのが、偶々「いちご白書」という映画だったという実体験から出来たそうです。
しかしその本題とも言える「いちご白書」という映画を語る人は、あまり今はいません。
元々はアメリカ人作家ジェームズ・クネンのノンフィクションです。
当人19歳の頃よりコロンビア大学で過ごした体験記、特に1968年4月、遊園地を軍事関連施設に建て直す事に端を発した、コロンビア大学の学園闘争をベースに、その渦中にいた体験記を映画化したものです。
学生運動ともなればもはや団塊世代の冥土の土産です。
今の教育の世界じゃ「いちご」よりも「一個人」の身の振り方次第で、体勢派にもそうでない者にもなってしまう始末、それは長いものに巻かれろ的な嫌な風習です。
逆らえば集団社会では、「シカト」や「いじめ」に遭うからです。
だからこそ今この映画の世界観を知るべきかもしれません。
団体による結束について、あるいは一つの方向に本気で「みんな一緒に」向かいたいのならばの話しです。
いざという時、負ける事を覚悟で闘い抜く純粋さがあるのだろうか?
この映画、前半は主人公サイモンとリンダの心の交流と恋愛事情ですが、後半はガラッと変わって権力に潰されていく世代達のシーンを印象深く撮られています。