ラストシーンで意味が分かる、衝撃的なファーストシーン

■作品名
『ひとりぼっちの青春』(70)
■監督
シドニー・ポラック
■主演
ジェーン・フォンダ、マイケル・サラザン
■DVD発売元
角川映画


この映画のオープニングシーンは、草原を走る馬をセピアカラーで映します。
ところが、足を折ったその馬は撃ち殺されてしまいます。

これは主人公であるマイケル・サラザン演じるロバートの少年時代の回想シーンなのですが、いきなり「They Shoot Horses, Don't They?=彼等は廃馬を撃つ(翻訳本のタイトル)」という映画の原題を象徴するシーンが示されることに驚かされます。

この映画は、失業者が街にあふれる不況下の1930年代にひたすら踊り続ければ高額の賞金がもらえるマラソン・ダンスに参加した人々を描く群像劇です。

ジェーン・フォンダ、スザンナ・ヨーク、マイケル・サラザン、ボニー・ベデリア、ブルース・ダーンといった当時の若手俳優にベテランのレッド・バトンズとギグ・ヤングが絡みます。
見どころの一つは彼らの演技合戦です。

賞金を手にして一発逆転の人生を夢見た彼らが、一人また一人と脱落していくさまを、監督のシドニー・ポラックは淡々と描いています。
そのため、私たちもダンス会場にいる観客の一人になったような、少々残酷な気分で彼らを見つめることになるのです。

ロバートはグロリア(フォンダ)とペアを組んで最後まで勝ち残るのですが……。ラストシーンは衝撃的でファーストシーンの意味が分かるように構成されています。

と言う訳で、この映画が描いた青春像はなんとも苦くやるせないものですが、当時のニューシネマと呼ばれた映画は何故か30年代を舞台にしたものが多かったのです。

それは、ベトナム戦争などで社会に対して閉塞感を抱いていた若者たちの心情が不況下の30年代と重なるからだと言われましたし、映画人たちが物事を悲観的に見る傾向が強い時期でもあったからでしょう。
そうした時代の雰囲気をこの映画から感じ取ってください。




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