スーパーカー顔まけスペック+4WD
2013年のマイナーチェンジでAMGモデルにさらにハイパフォーマンスなS、パフォーマンス志向の4WD(4マチック)を備えるモデルを追加。ラインナップはセダンがE63AMG(1495万円)、E63AMG 4マチック(1520万円)、E63AMG S(1750万円)、E63AMG S 4マチック(1780万円)。ステーションワゴンがE63AMG 4マチック(1557万円)、E63AMG S 4マチック(1817万円)
まず、これまでのパフォーマンスパッケージに代わる、“S”モデルを追加する。標準仕様のE63でも557ps/720Nmと、とてつもないパワー&トルクを発揮するものだが、これがSモデルともなると、585ps/800Nmという、スーパーカー顔まけのスペックに達するのだ。ついにAMGのセダン&ワゴンにも600psの大台が見えてきた(しかし、いつまで続けるつもりだろうね、パワー競争……)。
次に、ある意味、パワーアップよりも興味深いのが、4WDグレードの“4マチック”が設定されたことである。同じパワースペックで2駆モデルも従来通りラインナップされているわけだから、4マチックの追加は、(たとえばA45AMGとは違って)パワーアップによる走行性の安定制御という意味合いよりもむしろ、降雪&氷結しがちな地域、たとえばアメリカ東海岸のメガポリス、におけるビジネスエクスプレスの有用性を高めることにあると思われる。噛み砕いていえば、アッパーモデル界で伸張著しい、アウディクワトロへの対策、である。
見ために、随分と若返りをはかった。フロント、リア、ともにバンパーから下のデザインがかなり複雑な形状となって、同時にスポーツカーのような迫力も、かもし出すことに成功している。特にフロントマスクなどは、おおきなバンパーグリルがボディ幅いっぱいに広がっており、まるでスーパーカー級の面構えだ。
対して、インテリアには、さほど大掛かりな変更は見受けられない。モニター画面のインストール手法など、ダッシュボードのスタイルがあくまでも機能優先でデザイン性に乏しいあたり、メルセデスらしいといえばらしいけれども、全体的にインテリアの雰囲気は古くさい部類に入る。
その他、Eクラス全体としては、これまでもトップクラスであった安全装備がさらに充実したことも、注目点として挙げられる。