怪我・外傷

頭部打撲・外傷…子どもが注意すべき怪我・外傷(2ページ目)

子どもは外で元気に遊ぶもの。多少の切り傷・擦り傷は子どもにとっては勲章のようなものですが、最低限の注意は必要です。子どもに多い怪我・外傷で、注意すべきポイントを解説します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

擦り傷・切り傷・刺し傷……子どもの怪我の傷口応急手当

消毒

まずは傷を流水で洗って、きれいにします

子どもに多い怪我は、擦り傷、切り傷、刺し傷など。傷口は基本的に流水で洗い流して、清潔にしましょう。衣服が触れたり、子どもがつい触ってしまったり、動きによって浸出液が出てきたりする場合は、ガーゼで覆います。特に子どもの場合は汚れた手で触ってしまうことが多いので、適度に通気性も保ちながら保護できるよう、ガーゼをしておいた方がいいでしょう。傷口が小さい場合は絆創膏でもOKです。

ガーゼは最初にしっかりと消毒して清潔にしておけば、毎日交換する必要はありません。ガーゼが汚れたりした場合は交換します。あまり頻回に交換していると、せっかくできている新しい皮膚をはがしてしまう可能性があるからです。

擦り傷の多くは皮膚の浅い部分の怪我ですが、砂や土がついていることが多いので流水でしっかりと傷口を洗い流します。傷口がきれいでない場合は消毒します。

切り傷は、深さと長さによっては医療用の糸で縫合したり、医療用のテープで傷口を塞ぐ必要があります。まっずは傷口に入った異物はきれいに除くこと。流水で洗うことできれいになります。出血している場合は、止血するためにガーゼで圧迫します。傷より体側を紐などで縛ることはやめてください。縛ってしまうと、縛った先に血液が行かなくなり、組織が破壊されてしまうからです。圧迫止血が基本です。

刺し傷は、深さが重要です。また、何で刺したか注意しましょう。土のついた枝などで刺した場合は感染にも注意する必要があります。出血している場合はガーゼなど圧迫して止血します。

怪我の感染症には特に注意が必要で、ワクチンで防げる病気に破傷風があります。詳しくは「破傷風の症状・治療・予防」をご覧ください。

二種(DT)、三種(DPT)、四種(DPT-IPV)混合ワクチンのTが破傷風です。このワクチンをしていない場合は、ヒト破傷風免疫グロブリンまたは破傷風トキソイド(毒素を不活化したもの)ワクチンを行います。

さらに、傷口を早期に閉じてしまうと、空気のある中では増えないのに、空気が無い所で繁殖する「嫌気性菌」という細菌感染をする可能性があります。最近は減少しましたが、「ガス壊疽(えそ)」という病気です。ガス壊疽(えそ)は、嫌気性菌であるクロストリジウム・パーフリンジェンスなどのクロストリジウム属の細菌によって皮下、筋肉組織に起こる感染症で、感染して繁殖する時に、二酸化炭素、メタンガスを発生します。名前の通り、組織を破壊し、毒素を産生しますので、血液中から毒素が全身にまわって、肝臓や腎臓などの鼠臓器の機能も低下してしまいます。感染した部位を切除しないといけないこともあるために、早期発見、早期治療が必要です。
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