夏目漱石も食したという老舗の蒲焼なのでございます
東京メトロ東西線早稲田駅近くのすず金。老舗と言うと古い建物を想像してしまいがちだが、立派な鉄筋5階建てのビルの一階にある。入口を入ると左側ににテーブル席が4卓ほどあり、そのままの間口の広さで奥へと続く細長い店内。モダン和風の店内の奥にカウンター席4席と厨房そしてテーブル席6卓がある。昼時、席はほぼ満席、学生の街なのだが年齢層は高い。木製の椅子には白い綿のカバー、レトロな雰囲気を残す。割箸とお茶が運ばれ、箸袋の裏を見ると「我輩もかつて食した、ここの蒲焼」とある。創業1877年(明治10年)という、夏目漱石も食したという老舗の蒲焼なのでございます。交差点を挟んだ向かいには夏目漱石の生誕地の碑があり、ここ夏目坂通りは夏目漱石のゆかりの地なのである。メニューはシンプルでリーズナブル
メニューは壁に張ってある、なるほどメニューはシンプルだ。舌代とあり、うな重は1700円と2200円がある。昨今のうなぎ高騰からするとリーズナブルなお値段だ。迷わずうな重2200円をお願いする。普通の吸い物はうな重についてくるが、肝吸いは別料金で100円となる。注文の後はおとなしく待つ、おひとり様の時には、どうも周りのお客さんの話を聞いてしまう。老舗の鰻屋などでは、鰻の薀蓄を語っている人を良く見かけるが、ここでは初老の夫婦が皇室の話とか、奥様同士で海外旅行の話などが聞こえてくる、普段づかいのお店なのだろう。庶民の味方の老舗鰻屋さん。
待つこと15分、うな重登場。皮はやや厚め、グニュっとした食感で柔らかい。身はやや厚めでフワッと柔らかい。タレは醤油系あっさりひかえめ、ごはんはやや硬めで好みだ、量はやや多め。皮目のジューシーさとひかえめなタレとうなぎの風味、ご飯とのバランスもよい。ちょっと前までは、この値段でこのボリュームはスタンダードなうな重だったが、うなぎ高騰後でもこのお値段でこのボリューム感のあるうな重をいただけるのはとてもありがたい。庶民の味方的老舗鰻屋さんなのでございます。■すず金
住所:東京都新宿区馬場下町61
電話番号:03-3203-5936
営業時間:11:30~14:00 17:00~18:30 [月] 11:30~14:00(火曜日定休日)
地図:Yahoo!地図情報