姓名がタイトルのドラマはおもしろい
直近で姓名が題名の連ドラ(時代劇を除く)を探すと21世紀にはなく、2000年のユースケ・サンタマリア初主演作『花村大介』に行き当たりました。題名だけではなんのドラマかわかりませんが内容は民事専門の弁護士。「三流弁護士の花村大介が超一流の弁護士事務所の試験を受けるとなぜか合格。張り切る大介だが、事務所の意図は儲からない仕事を押し付けるためで待遇も最悪。しかし大介はモットーの"気合とハッタリ"で難事件を次々と解決していく。」
放送前はあまり期待されていませんでしたが、意外におもしろく後に新春スペシャル版もつくられるほどのヒットに。制作の関西テレビのところに来た大阪弁護士会の副会長からの投書に「普通の弁護士ドラマは刑事弁護士が刑事まがいの捜査をして嘘くさいけど、このドラマは民事を扱っていて現実に近い」というものがありました。『花村大介』のよさをうまく説明しています。
(『花村大介』はDVD化はされていませんが、スカパー!などの「ホームドラマチャンネル」でたまに放送されています。)
ということで、『半沢直樹』『古畑任三郎』『花村大介』と姓名が題名の連ドラは、題名だけではなんだかわからないけど、見ればわかる!と自信を持ってるからおもしろい、と三例でいいきってしまいましょう。
島耕作を意識?
ただ『半沢直樹』、ドラマが始まるとなぜ姓名が題名なのか別の理由も見えてきました。『課長島耕作』シリーズを意識しているんじゃないかと。島耕作は団塊の世代、半沢直樹はバブル世代と世代は違いますが、正義感を持ったビジネスマンが奮闘し、最後は勝つというところが共通しています。『融資課長半沢直樹』や『銀行員半沢直樹』ではいかにもマネしましただから、『半沢直樹』なんじゃないかと。
『半沢直樹』のヒットによりドラマ制作者は似た感じの企業ものを求めて読みあさっているでしょうが、これまでスペシャルドラマでしかなかった『課長島耕作』の連ドラ化というのも有力候補ではないかと。
準備OK?
ちなみに原作小説のシリーズ第一作『オレたちバブル入行組』を出版するとき文藝春秋から『融資課長』という題名を提案されたそうです。小説もわかりやすい方がいいんですね。原作のシリーズは「オレバブ」シリーズといわれていましたが、ドラマ化を期に「半沢直樹」シリーズに変更。ドラマ『半沢直樹』は前半が第一作、後半は第二作『オレたち花のバブル組』が原作。第三作『ロスジェネの逆襲』は出版され、現在、週刊ダイヤモンドで第四作『銀翼のイカロス』が連載中とパート2、映画化への準備も着々?