株・株式投資/NISAで買いたい株式銘柄

NISA徹底活用術 NISAで買えない銘柄とは

2014年1月1日から、日本版ISA(個人投資家向け少額投資非課税制度/愛称(NISA)がスタートします。投資を始めるチャンスとなる制度で、是非積極的に活用していただきたい国策です。その概要から、実際の活用術をご紹介いたします。今回は、NISAで買えない銘柄について解説します。

藤本 誠之

執筆者:藤本 誠之

株式ガイド

  • Comment Page Icon

 少額投資非課税制度(NISA)は1年間で100万円まで

剛力彩芽のNISAラクラクWEB

剛力彩芽のNISAラクラクWEB

少額投資非課税制度(NISA)では、1年間で100万円までが利用可能な制度なので、1単位が100万円を超える銘柄については、NISA口座では購入することが出来ません。2013年7月26日(金)終値データをもとにすると、110銘柄が最低投資金額が100万円以上でした。

表1が、最低投資金額の高額ランキングTOP10です。
最低投資金額undefined高額ランキングTOP10

最低投資金額 高額ランキングTOP10

現時点で最も最低投資金額が高いのは、【4628】 エスケー化研(東証JQスタンダード) の575万円です。流石にこの金額では、個人投資家が投資するには非常に高いハードルと言えるでしょう。

表2が、時価総額のTOP10です。
最低投資金額undefined時価総額TOP10

最低投資金額 時価総額TOP10

日本を代表する銘柄がずらりと並んでいます。ランキング外でも、12位に家庭用ゲーム機の【7974】 任天堂(東証1部)や、13位にビール大手の【2503】キリンホールディングス(東証1部) 、14位にディズニーリゾートを運営する【4661】 オリエンタルランド(東証1部) などがあります。

くくり直しと株式分割が必要に

現在、全国証券取引所では、市場の利便性の向上を図る観点から、普通株式の売買単位を100株単位に統一することを最終的な目標として、売買単位の集約に向けた取り組みを段階的に実施しています。現在はその移行期間として、100株と1000株の2種類の集約を図っています。

少額投資非課税制度(NISA)は、「貯蓄から投資」を促す国策です。しかしながら、最低投資金額が100万円を超えている銘柄については、投資することが非常に困難なのが実情です。

1000株単位の場合、単元株数を100株に変更するだけで、少額投資非課税制度(NISA)で購入可能になります。単元株数の変更は「取引単位のくくり直し」と呼ばれます。

しかしながら、100株単位で最低投資金額が100万円を超えている銘柄については、単元株数の変更は、全国証券取引所の取り組みに逆行することになり、現実的には難しいです。この場合、株式分割を行って、価格の引き下げをすることが必要となります。

ダイハツ工業のように単元株数を変更する企業も

ダイハツ工業undefined日足チャート(出典:Yahoo!ファイナンス)

ダイハツ工業 日足チャート(出典:Yahoo!ファイナンス)

最低投資金額の高額ランキングが13位の【7262】 ダイハツ工業(東証1部) が、2013年7月25日に、今年10月1日から単元株数を1000株から100株に変更することを告知しています。

その理由を「投資家の皆さまにとって、より投資しやすい環境を整え、当社株式の流動性の一層の向上を図るとともに、全国証券取引所が定めた『売買単元の集約に向けた行動計画』の趣旨に鑑み、単元株数の引き下げを行うものであります」と説明しています。

少額投資非課税制度(NISA)で買えない状況と言うのは、上場企業にとって好ましい状況ではないようです。今後、ダイハツ工業のように、NISAが開始する来年までに単元株数の変更や、株式分割を行う企業が増加しそうです。

個人投資家のことを考えない「KY」な企業がいる!?

少額投資非課税制度(NISA)で買えない銘柄については、「KY(空気を読めない)な銘柄」、個人投資家を重視していない銘柄として判断される可能性があります。

単元株数の引き下げや、株式分割それ自身は本来的な株式の価値に影響を与えるものではないですが、売買単位の変更や株式分割を行った企業は、個人投資家を重視した企業として評価されます。また実際に購入出来る投資家層の拡大や、流動性の向上によって、相対的に堅調な相場展開が期待出来そうです。

株式事情は「変化を買う」もの

今回は、少額投資非課税制度(NISA)で買えない銘柄についてご紹介しました。株式市場は「変化を買う」ものです。「現在は買えない銘柄」は、逆に言えば「買えるように変化する可能性がある銘柄」とも言えます。今後、アベノミクスの第三の矢の「成長戦略」で様々な国策が打ち出されますが、その施策からどの銘柄にどのような変化が期待できるかを半歩先読みすることが、「相場の勝ち組になる」重要なポイントになりそうです。

【関連記事をチェック!】
NISA(ニーサ)導入の恩恵を受けるのはこの銘柄!
NISA投資で得するために今やっておくべきこと
NISA口座の優待投資でお米16kgをゲット!

*本サイトで紹介する意見や予測は、筆者個人のものであり、所属する証券会社の意見や予測を表わすものではありません。また、紹介する個別銘柄の売買を勧誘・推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。
*正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。
【編集部からのお知らせ】
・「家計」について、アンケート(2024/11/30まで)を実施中です!

※抽選で30名にAmazonギフト券1000円分プレゼント
※謝礼付きの限定アンケートやモニター企画に参加が可能になります
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます