窓・サッシ・玄関ドア/窓リフォーム[通風・採光]

窓リフォームで部屋を明るく、採光の工夫いろいろ

暗い部屋を明るくする窓リフォームのポイントをご紹介します。ただ窓を大きくしたり数を増やしたりするだけでは、ほとんど効果が無いことも。大事なことは位置と方位、採光の工夫をシミュレーションしながら解説します。(2017年改訂版、初出:2004年7月)

尾間 紫/Yuu

執筆者:尾間 紫/Yuu

リフォームガイド

部屋を明るくするためには、窓の高さ、位置、面積、方位、そしてインテリアも大事なポイントです。ただ大きくしたり、数を増やすリフォームでは、ほとんど変わらないこともあります。今回は、窓の位置や大きさによって採光がどう変わるかシミュレーションしながら、部屋を明るくするリフォームの工夫をご紹介します。

背の低い窓は暗い、背を高くするリフォームで部屋の奥まで明るく

せっかくの南向きのリビングなのに何だか薄暗い、もっと明るくしたいと思うことはありませんか?その原因のひとつに、窓の高さが低いことがあります。

イマドキの新しい住宅では、掃き出し窓の高さは2m~2.4mが主流ですが、古い一戸建てでは1.8mほどしかないことも多く、これが薄暗く感じさせる原因となっています。

マンションの暗い窓

上は、高さ1.8mの掃き出し窓がついた部屋の様子。下は天井いっぱいまで掃き出し窓を高くした部屋の様子。部屋の奥まで光が差し込み、部屋全体が明るい(一級建築士事務所 OfficeYuu


窓は高い位置にあるほど、部屋の奥まで太陽の光が届くようになり、部屋全体が明るくなります。そこで、窓を高くするリフォームで、部屋を明るくしましょう。天井まで開口すれば、部屋全体が明るく感じられるようになります。

またサッシ全部を交換しなくても、今あるサッシの上にランマ窓を追加で取り付けるリフォームをするだけでも明るくなります。ただし、この部分に構造材が入っていて、天井ぎりぎりまで開口することができないケースもあります。リフォーム会社の担当者とよく相談して計画を立てましょう。

窓が変えられない場合は、インテリアの色や素材で明るくする

窓が変えられない場合は、インテリアの色や素材選びで、部屋を明るくすることができます。床や壁は暗い色より白っぽい色を選び、素材はカーペットのように表面がザラザラしたものより、フローリングやタイルのようにツルツルとした素材を選ぶと、室内に入ってきた光が壁や床に反射して部屋内に拡散し、部屋全体が明るく感じられるようになります。

明るい窓

白のフローリングに白い壁紙を使用すると、部屋全体が一段階明るく感じられるようになる。出窓はカウンターに白くツヤのある素材を選ぶ。


天井の色も大事なポイントです。和室が暗く感じられるのは、天井の木の色が暗いのも原因のひとつです。白くつるつるとしたビニールクロスや漆喰仕上げにすると、部屋が一段階明るく感じられるようになります。出窓がある場合は、カウンターに白くツヤのある素材を選ぶと、出窓部分がより明るく浮かび上がるようになります。

キッチンはなぜ暗い?横長の窓をタテ長にリフォームすると明るくなる

キッチンが暗いという悩みは多いもの。その原因のひとつに吊り戸棚の存在があります。窓は高い位置にあると部屋を明るくする効果が高いのですが、吊り戸棚があると、その下に横長に取り付けられることになるので、部屋全体が暗くなってしまいます。

横長の窓

上はキッチンに有りがちな横長の窓。狭い範囲にしか光が差し込まないので全体が暗い。下は、横長の窓をタテ長に入れ替えた部屋の様子。部屋の奥まで光が差し込む。


キッチンを明るくするには、思い切って吊戸棚を外し、窓を高くするリフォームがお勧めです。もちろんその際には、他の部分で収納効率を上げる工夫が必要です。最近は引き出し式で、キッチン本体の収納効率が向上し、吊り戸棚を外すリフォームが増えてきました。

明るい窓リフォーム

窓リフォームで、ダイニングキッチンが明るくなった様子を再現したもの。吊り戸棚を横にずらし、窓を高くしている(一級建築士事務所 OfficeYuu)


上の画像は、暗いダイニングキッチンをリフォームで明るくした様子を再現したものです。吊戸棚は横へずらし、横長の窓を、少し幅の小さな高さのあるものに交換リフォームしました。頭の上のジャマものが無くなると、明るくスッキリとしたキッチンになります。

窓を分割リフォーム、壁に光を当てれば、部屋の隅々まで明るくなる

縦長の窓は、部屋の奥まで光が届きますが、差し込む光の幅が狭いのが欠点です。キッチンのように狭い部屋なら、縦長の窓が1箇所でもあれば明るくなりますが、広いリビングなどでは部屋全体を明るくすることはなかなか難しいものです。

また困るのが、リビングで真ん中にテレビを起きたい場合、洗面所で洗面化粧台を起きたい場合など、真ん中に壁を残しておきたい場合です。

窓の分割

分割された窓それぞれから差し込んだ光が白い壁面に反射し、部屋が明るく感じられるようになる


そんな時は、2つの窓を離して両サイドの壁に光を当てるように設置するのがお勧めです。光を白い壁面に当て反射させることで、部屋を明るくすることができます。もちろん、ランマ部分にも窓を付ければ更に効果大。近隣の視線が気になる時などにも、視線を遮りながら、光を採り入れることができるようになります。

分割窓

テレビや洗面台を壁の中心に据えても、両側に窓を取り付けることで部屋を明るくできる(LXIL


部屋の用途や生活スタイルによって、快適な窓の方位も異なる

太陽の光は、季節や時間によって差し込む方向や角度が変わります。例えば、朝に明るいダイニングにしたいなら東側に窓を取り付ける、遅い時間までゆっくり眠れる寝室にしたいなら東側は避けるなど、部屋の用途や生活スタイルによって、快適な窓の方位は異なります。

何より同じ面積でも、取り付け位置によって部屋の明るさは大きく変わります。窓リフォームの際には、どこをどんな風に明るくしたいのかをよく考えて計画を立てましょう。

さて窓は風の出入り口でもあります。風通しのいい家にするためには、やはり取り付け位置が大事なポイントになります。風通しをよくするリフォームのコツは下記でご紹介していますので、あわせてご覧下さい。
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