電気自動車・EV/電気自動車・EVレビュー

自動車よりもコンパクトな超小型モビリティーの可能性(2ページ目)

国土交通省によると、超小型モビリティーとは、「自動車よりコンパクトで小回りが利き、環境性能に優れ、地域の手軽な移動の足となる1人~2人乗り程度の車両」と定義づけされています。各メーカーが超小型モビリティーの発表を行なっていますが、この章では、私が注目をしている日産の「ニューモビリティーコンセプト(New Mobility Concept)」についてお話しできればと思います。

中島 徳至

執筆者:中島 徳至

電気自動車ガイド


既にヨーロッパを走っているNew Mobility Concept

日産自動車は2010年11月、「ゼロ・エミッション」社会の実現に向けた具体的行動として、小型の電動車両「NISSAN New Mobility CONCEPT」を公開しました。日本では、現在まだ個人向けに販売はされていないためなじみ深い車両ではないかもしれませんが、ルノーと共同開発された車両です。2011年からすでにヨーロッパでは、トゥイージー(ツィギー)という名前で販売されています。以下では日産ニューモビリティーコンセプトの基本情報と私が実際それに試乗した際に感じたことについてお伝えさせていただきたいと思います。

■スペック
2013年7月1日現在、車両サイズは長さ2340mm、幅1230mm、高さ1450mmの仕様となっています。この車両サイズを見ても、クルマ1台分の駐車場などに3、4台を並べておけるくらいのコンパクトでありながら、大人2名乗ることができます。電気自動車の要となる、モーターやバッテリーについてですが、モーターは主流のACモーターを使用しており、後ろの席の下部、車両の真ん中あたりに搭載され、バッテリーはシートに搭載されています。

バッテリーについての詳細は明確でないですが、モーターの出力は7kWで、最高速は80km/hです。充電については、急速充電に対応していないために、200V電源を使った普通充電になりまが、車両に搭載された充電コードによっていつでも必要な分充電することができます。一回でフル充電するのに4時間程度で、その航続距離は約100kmだと言われています。普通充電にしては、充電時間も短く、コンパクトでありながら割と長い距離を走ることのできる車です。

(図)日産undefinedニューモビリティーコンセプトundefinedドア開

(写真)日産 ニューモビリティーコンセプト ドア開


(図)日産undefinedニューモビリティーコンセプト 充電方法の見学様子

(写真)日産 ニューモビリティーコンセプト 充電方法の見学様子


■コンセプト
「NISSAN New Mobility CONCEPT」は4つのキーワードより構成されていると日産は謳っています。

・革新-ユーザーの用途に適した近距離専用の新しい二人乗り小型モビリティ
・簡単-誰にでも運転や駐車がしやすい車両サイズ
・安全-オートバイと同等の機動性と高い安全性を両立
・クリーン-走行中の排出ガスゼロ

(図)日産undefinedニューモビリティーコンセプトundefinedドア開

(写真)日産 ニューモビリティーコンセプト ドア開

これらのコンセプトが出来上がった背景として、二酸化炭素削減問題と高齢者や単独世帯者が近年増加している問題が挙げられます。また、従来の乗用車ではなく、社会のニーズに合わせた少人数用の持続可能かつ効率的で使い勝手のよい移動手段用の車が求められているのではないかと日産が考えついたのだと見受けられます。

「日産ニューモビリティーコンセプト」は、近距離用の車として、今までにない新しい小型モビリティーとなっています。バイクよりは大きいですが、軽自動車よりも見通しが良くコンパクトな車両であるため、先進国などで道路幅が狭く、バイクで行くには少し遠い距離を走行する際に大いに活躍するでしょう。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます