無難にいくのであれば米ドル預金
順張りなら米ドル、逆張りなら豪ドル
足元における米国の経済環境は、どちらかといえば好調といえます。米ドルを大きく動かす指標として知られている米国雇用統計をみても、6月の非農業部門雇用者数は+19.5万人と予想を上回勢いで雇用が増加しています。
しかも、より注目すべき点は、4月・5月の非農業部門雇用者数も上方修正された点になります。つまり、発表された数字よりも、さらに雇用者数が増加していたことが分かったのです。
4月~6月の直近3カ月間の非農業部門雇用者数は、平均して+19.6万人となっており、このペースが続けば、現状行われている米国の量的緩和は次第に縮小する可能性が高くなってきたと指摘できます。
量的緩和が縮小する可能性がでてきたということは、今後これまで行われていた金融緩和、資産の買い取りが縮小され、正常化に戻る時期が近づいてきたことを意味します。
米国が今後も経済堅調であり、正常化へ一歩足を踏み入れ、量的緩和縮小がはっきりしてくると、米ドルは買われることになります。円から見れば円安の流れは継続といえるわけです。
しかもここにきて、参議院選挙の結果は与党勝利となり、ねじれ解消にもなりました。そのため、円安傾向は日米いずれの動向からも継続する可能性は高いと指摘できるのです。
したがって、無難にいくのであれば、米ドル預金がよいのではないかと思います。足元ではあまり金利はつきませんが、為替差益を狙って投資を行えばよいでしょう。
逆張りでいくなら豪ドル預金も候補に
一方で、最近あまり状況が芳しくないのが豪ドルになります。オーストラリアでは、個人消費や設備投資がよいとはいえず、また中国向けの輸出が伸び悩んでいることもあり、利下げが実施されています。これは豪ドル安円高になることを意味しており、足元では米ドルと違って、豪ドル安円高が顕著にみられます。以前は日本円から見て、米ドルと豪ドルは同じような動きをしていたのですが、最近は乖離がみられるようになってきました。そうした点から、今後豪ドルに関しては、中国の動向には要注意ですが、逆張り投資という観点から、どこかで落ち着き、利下げもそのうちストップすると考えるのであれば、少しずつ購入しておくのもよいかもしれませんね。
豪ドルに関しては、一気に購入するのではなく、今後も利下げや中国経済指標の悪化も想定されるため、金利収入を得ながら下がったら追加購入をうかがうスタンスでのぞみましょう。
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