羽織りに不可欠な「羽織紐」
羽織紐と一口に言っても、組紐のものや、珊瑚の玉を連ねたもの、結ぶ物に環で引っ掛けるものなど素材や形状の様々なタイプがあります。最近では若い方向けにチェーンやスワロフスキーといった洋服っぽいものもありますが、ここではまず基本的な物をご紹介したいと思います。■組紐や丸ぐけの紐で、前で結わえるタイプ
前で結わえるタイプの羽織紐
はおる前に両方とも取り付けます
このタイプは輪の部分が長めに作られていますが、商品によっては羽織紐の輪に「かん(鐶)」という留め具が付いている場合があります。不慣れな方の為と思いますが、本当は上記の方法で直付けしたほうが見た目もスッキリして、何より抜け落ちる心配が無いのでおすすめです。ですが、どうしても乳に通すのが難しい場合は鐶を利用しても良いでしょう。
■鐶で取り付けて留めるタイプ
鐶で取り付けるタイプの羽織紐
S字鐶と呼ばれるタイプが主流ですがネックレス等を留めるのに使う「ヒキワ」や「カニカン」という金具が付いていることも。どちらか片方の乳に鐶で付けておいてからはおり、もう片方に鐶を通して留めます。脱ぐ時もどちらか片方の乳から鐶をはずして脱ぎます。
羽織紐のルール
固い物同士は傷が付く可能性が
ですので、羽織紐に関しては和装の時に一番気にしなければならないルールである「格」について、現在売られている商品ではほぼ普段着用と考えてよいでしょう。
帯留を使う際には糸のみの羽織紐を
理由は実に理にかなっていて「固いもの同士がぶつかると、お互い傷付けたり壊れたりする危険性があるため」です。それに歩く度にぶつかったりして音が鳴るのも気になりますよね。
また、いざ着る際にくっきりと羽織紐の跡がついている……なんてことのないように、しまう際は羽織紐を羽織りからとりはずしましょう。
※この記事では、名詞の「羽織」と動詞の「羽織る」の漢字が同じで読みにくさを解消するため、動詞のほうを平仮名の「はおる」で表記しています。