科目別最低ラインに引っ掛からないためには
このような合格基準の仕組みによって、既に十分に合格レベルに達しているのに、ほんの1点だけ科目別最低ラインに引っ掛かり、何年も受験し続けているといった方がいらっしゃいます。そのような状況を避けて早期に社労士試験に合格するために重要なのは、とにかく「各科目をまんべんなく勉強して、不得意科目を作らないこと」です。
「不得意科目を作らない」と言うは易しですが、実際には難しい問題です。このための対策として、私が考えるポイントは、次の2つのポイントです。
【不得意科目対策の2つのポイント】
- 本番間近になるまでは、得意・不得意にかかわらず、各科目の配点に応じてバランスよく勉強する。
- 本番が間近になった時点で、不得意科目をそれまでの時間プラスアルファで勉強する。
1つめのポイントですが、あまり早期に不得意科目の攻略に時間を割き過ぎると、その他の科目が疎かになりがちです。
また、社労士試験の場合、各科目に横断的な理解が必要とされる部分があり、当初は不得意だと思っていた科目が、他の科目を理解することで分かるようになることがあります。
ですので、最初のうちは理解できず不安を感じることもありますが、当面は特定の箇所に留まることなく、徹底的にバランスよく各科目を勉強することが大切です。
そして2つめのポイントですが、本番まであと2ヵ月くらいに迫ったところで、ラストスパートとして不得意科目の強化を行ってください。この時に重要なのは、通常行ってきた勉強時間はそのまま確保したうえで、出来る限り勉強時間をプラスアルファで作ることです。
仕事をしながら試験勉強をしている方が多いので、いつもよりさらに多くの時間を確保するのは非常に大変なことだとは思いますので、不得意科目強化のための時間は、取れたとしても最後の2ヵ月くらいになると思います。時期としては、7~8月ですので、個々の事情にはよりますが、夏休みなどの休暇を利用して不得意科目の克服に充てるとよいと思います。
なぜ、通常の時間を減らしてはいけないかというと、本番間近のタイミングで不得意科目以外の勉強時間を減らしてしまうと、総得点の合格ラインに届かなくなってしまう恐れがあるからです。
最後になりますが、ラストスパートをすることで、すべての科目をやり切ったという自信が生まれます。そうなれば、不得意科目であっても冷静に問題を解けるようになりますので、科目別の最低ラインは怖くなくなっているでしょう。