劇団四季の舞台を支える倉庫群 「ウィキッド」のあの装置の一部も発見!
ガイドが取材に伺った7月某日に倉庫内を案内して下さったのは責任者の中山正蔵さん。「まずはもうじき劇場で仕込みが始まるこちらの作品から見てみましょう。」と、とある倉庫へ。
最初に入れて頂いた倉庫内は、うっすら緑の照明で照らされています。そして写真の右奥に見える黒板に書かれているのは「大干ばつ」の文字。そう、この一角に置かれていたのは8月3日に汐留・電通四季劇場「海」で東京再演の幕を開けた「ウィキッド」の装置や大道具の一部。取材に伺ったこの時は、丁度汐留の劇場に荷出しをする直前という事で、梱包された道具や装置が運び出しやすいように工夫された状態で置かれていました。
黒板はディラモンド先生がエルファバやグリンダがいる教室で授業をする時のアレ、ですね。
うわー テンション上がってきた! もうちょっと奥にも進んでみましょうか。
あ、見覚えのある背の高いアノ方が! 彼は一体、どのシーンに登場しているのでしょう?
はい、ココです、ココ。シズ大学の銅像さんです! 大学のアイドル、フィエロが軽々としたダンスで皆を巻き込むシーンでどどーんと出てきますよー。
更に「ウィキッド」の中で重要な役割を果たすドラゴン時計の一部も発見! 鋼鉄を模したパーツも細かく色付けがされ、どの部分を見ても本当に詳細に作り込まれています。目なんか今にも動き出しそう……ほ、ホントは…生きて…る?
実際の舞台ではこんな風にドラゴンに命が吹き込まれます。ドラゴン時計が時を告げる時、「ウィキッド」の物語は大きく動くんですよね。劇場に行かれた際は是非ドラゴン時計にも注目!です。
「オペラ座の怪人」 「マンマ・ミーア!」のセットも大町の倉庫で次の出番を待っています
こちらは見覚えのある方も多いのではないでしょうか。「ウィキッド」の前に電通四季劇場「海」で上演されていた「オペラ座の怪人」シャンデリアのセットです。
これまで客席から見上げていたセットをこうして間近で見ると何とも言えない不思議な気持ちになりますが、キスができそうな近さで見ても1つ1つ精巧に作られている飾りにやっぱり感動! 威厳というか、重厚感が凄いのです。このシャンデリアはこれまで何回ファントムの哀しい叫びと共に落とされたのでしょう……。
こちらはメリル・ストリープ主演で映画化もされたミュージカル「マンマ・ミーア!」の中で、スカイやペッパー達男子チームが、結婚式の前に首飾りを探しに行く時に使うボート。今はエーゲ海の港ではなく、北アルプスを見渡す丘の上で眠っています。
劇団四季は装置も小道具も衣装も全て自前なので、レパートリー作品が増える度に所蔵の装置や大道具、小道具の数も増えていき、最初は6棟だった倉庫もレパートリー作品や専用劇場の増加と共にどんどん建てられ、現在は14棟になっているそうです。劇団四季・60年間の歴史がこの14棟の倉庫にもぎっしり詰まっているんですね。もしかしたら、劇場でこのセット達が誰よりも色々な事を静かに見守ってきたのかもしれません。
→ 次は倉庫の更に深~い部分(?)に潜入しちゃいます!