3Dプリンター関連銘柄、本命はこれだ!
3Dプリンターというテーマがようやく日本の株式市場でも賑わいを見せつつある
日本の3Dプリンター関連銘柄である群栄化学工業(4229)、MUTOHホールディングス(7999)、ローランドDG(6789)、アルテック(9972)などが大幅高となっています。本家米国でも、1980年代から3Dプリンター製品を作っている最大手の3Dシステムズ(DDD)が高値をうかがう体勢に入っています。同社の日本における正規代理店のひとつが、上に挙げたMUTOHです。
3Dシステムズの週足チャートは綺麗にカップ・ウィズ・ハンドルパターンをたどっています。マーケットの調整によってそのハンドル部分を形成している最中ですが、今後、市場全体の上昇トレンドが明確となれば、高値の更新をイメージできます。その場合は2013年5月につけた51.94ドルのハンドル左側の最高値が上抜けポイントとなります。
出来高は比較的少なめに推移しており、これはハンドル部分の推移としては理想的です。このあと待たれるのはマーケットの上昇トレンド再開であり、その時に上抜けポイント価格を、出来高を強烈に増して抜けることができるかが鍵となります。抜ければ、抜けた瞬間に買っても恐れる必要ないと思います。
話題性があり、利益の成長性もあるトップファンダメンタルズ銘柄は、最高値を超えたところで買っても高すぎるという懸念は少なく、市場全体が上昇トレンドにあるのであれば、さらに高くなる確率が高いと思います。
3Dプリンター分野で長い歴史を持つ3Dシステムズ
3Dシステムズは3Dプリンター分野において非常に長い歴史のある会社で、創設者が取得した特許により、1987年に世界初となる光造形装置を製造しました。ラピッドプロトタイピング(素早く試作品を作ること)の手法である積層造形法の中の1種です。以降、関連してレーザー熔融粉末造形、インクジェット3Dプリンターなどを世に送り出してきました。デザイナーに馴染みのあるCADシステムにおけるファイル形式も同社の創設者が考案したものです。
これらの3D製造装置はおもちゃや宝石、靴などのプロトタイプ(試作品)を作ったり、航空分野や自動車の部品、医療分野、電化製品など、あらゆるものに利用されています。米軍のF18戦闘機の多くの部品も同社の装置から試作品が作られました。アップルなども新製品を考案する際に同社の装置を利用しています。
同社の事業はこのような3D製造装置を作るほか、キヤノンがインクを販売しているように、3Dを形作る原材料の製造・販売も行います。さらに導入時のコンサルタントやメンテナンス、3Dソフトウェア開発などのサービスも行い、メーカー、原材料、サービスの3つの領域から成り立つ会社です。
インターネットバブル前から上場している会社ですが、その株価は大して目立たず、月間の売買量も数十万~百万程度の時代が長く続いていました。業績は赤字、あるいは低収益率であったためです。
業績と株価が良くなりだしたのは2011年頃からでした。2010年末に10.4967ドルだった株価は2013年5月に51.939ドルの上場来高値を記録し、2013年は月間の出来高もコンスタントに2000万株を超える銘柄となってきました。
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