実際に、公的な手続きに加え、感情的な問題や子どものこと、離婚後の生活についてなど、クリアにしなければならないこともたくさんあります。
ですが、ひとたび「別れよう」と決めたら、あとは離婚後に待っている新しい生活を目指して走るだけ。最終的な目的は、離婚をすることではありません。離婚はあくまでも人生の通過点に過ぎないのです。
それよりも、離婚後、自分らしく幸せに生きていくことを大切な目標として、勇気を持って進みましょう。
ところで、離婚をすることが決定的になり、いざ離婚のための準備をしなければならない段階になった場合、不幸にして夫婦間にトラブルが発生することがあります。
そこで、今回は離婚の話し合いが難航するケースに見られる4つの共通点と、その解決策についてお話ししましょう。
<目次>
ケース1「お互いの主張が強すぎる場合」
もっとも多いトラブルが、夫婦ともにお互いの主張が強すぎるというケースです。「浮気に悩まされてきたストレスは相当なもの。そこをきちんと理解して欲しい」「まともに家事をやらなかった分、代償を払って欲しい」といった、自分の都合やメリットだけを相手に訴えるやりとりはなかなか決着がつきません。主張が強すぎることで相手を傷つけ、いたずらに時間ばかりが過ぎていくのももったいないことです。離婚の話し合いをするときには、原因がなんであれ、とにかく冷静になることが大事。自分の意見ばかりを主張するのではなく、まずは「相手の意見を聞いてみよう」と歩み寄る姿勢を見せることが大切になります。
こちらから先に理解がある態度を示すことで、良識ある相手であれば、「自分も悪かった」というように、思いやりの心を持ちつつスムーズに話し合うことができるようになります。
ケース2「夫婦の間に親が介在している場合」
離婚の話し合いに、なぜか夫婦の親が出てきてしまうというケースです。「ウチの息子は悪くない。嫁のあなたが気をもっと遣うべきだ」「ウチの娘がかわいそう。あなたとなんて結婚させなければよかった」というように、我が子を思う感情が先走り、本来は夫婦間の問題である離婚の話し合いがややこしくなってしまうというパターンです。もともと、このようなトラブルが起きる夫婦の場合、夫か妻、または夫婦両者が親への依存心が大きいタイプがほとんど。離婚の相談を親にするのも、自分の味方を増やしたいためであることもよくあります。
とはいえ、離婚はあくまでも夫婦間の問題。解決を親まかせにしたり、親の意見を聞きすぎたりすると、あとになって自分の人生を後悔することにもなりかねません。親が介在してきそうになった場合でも、「これは夫婦の問題だから、結論が出たら聞いてね」とやんわりと介入を回避する方法は、離婚の話し合いをスムーズに進めるコツです。
ケース3「復縁したいのか慰謝料がほしいのか優柔不断のケース」
相手がかたくなになってしまわないよう、離婚話の切り出し方には気をつけて。相手の態度を見ながら慎重に話を進めましょう!
離婚したいのか、復縁したいのか、慰謝料が欲しいのか、愛情を取り戻したいのか、夫婦であっても相手の心情を読み取ることができず、モヤモヤしたまま時間ばかりが過ぎていく、というのがこのタイプ。最悪の場合、離婚調停に出席しないという人もいます。一見、事を荒立てない分、穏やかに進んでいるように見えても、考えようによっては、非常に性質の悪いパターンともいえます。
相手ののらりくらりとした態度に諦めてしまいそうになりますが、ひとたび離婚という選択をしたからにはきっぱりと前に進めたほうがいいでしょう。「お互いが幸せになるため」という固い意志と共通認識を持って、「何日の何時から」「○○○のことについて決めましょう」と具体的な日時や課題をあげつつ、話し合いを進めることが望ましいでしょう。
ケース4「相手が条件を受け入れず意地になっているケース」
こちらが何を言っても相手にしてもらえない、いろいろな出来事を曲解して受け止める、逆ギレする……というように、こちらの言い分や離婚にいたるまでの話し合いの流れが理解できず、意地になってしまっているケースです。この場合、離婚の話し合いに決着がつくまでに時間がかかることが多いのですが、時間の経過とともに誤解や憎しみが増大してしまうのも面倒な点です。
もしも相手に、このようなところが見られたときは、まずは長期戦となる覚悟を持つことです。その上で、離婚カウンセラーや弁護士といったプロの力を借りて、綿密な計画を立てていくことをおすすめします。
いずれにしても、離婚が成立するまでの労力や期間はケースバイケースですので、焦ったり、他人と比較したりしないことが肝心です。自分の幸せの形は自分にしか描けません。離婚後の幸せな生活を目標に、じっくりと考えて、スムーズに実行できるように進んでいきましょう!
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