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創立60周年! 「四季演劇資料館」を大解剖! 前篇

2013年7月に創立60周年を迎えた劇団四季。その劇団四季唯一の資料館である「四季演劇資料館」(長野県・大町市)の展示(「キャッツ」 「オペラ座の怪人」 「ウィキッド」等)や見どころ、周辺環境をご紹介します。

上村 由紀子

執筆者:上村 由紀子

演劇ガイド

7月に創立60周年を迎えた劇団四季。この劇団四季の歴史や60年間のあゆみが分かる資料館が長野県・大町市にあるのをご存知でしょうか?安曇野の美しい自然の中に佇む四季演劇資料館と、四季の舞台を支える14棟もの巨大倉庫群を取材して来ました!

大町

美しい緑の中に四季演劇資料館はあります


キャッツ、オペラ座の怪人、ウィキッド、ライオンキング、李香蘭
あの時観た作品に再び出会える場所

長野自動車道・安曇野ICから車で約1時間。長野県大町市の緑の中に劇団四季の「四季演劇資料館」はあります。靴を脱ぎ、スリッパを履いて中に入ると、そこはお堅い資料館というより、友人の別荘に遊びに来たようなとても開放的で暖かい空間。まるで山荘のような木の温もりの中に様々な衣装や小道具、歴代ポスター等の貴重な展示物が置かれています。


大町

劇団四季レパートリー作品の数々



1階は劇団創立前史、ミュージカルコーナー、企画コーナー、オーディオビジュアル視聴コーナー、2階はメモリアルコーナー、ドラマコーナーなど全部で10のエリアから成り立っています。取材時の企画コーナーは劇団四季のレパートリー作品の衣装とポスター、舞台セットのミニチュア展示。

ジーザス・クライスト=スーパースター」 「エビータ」等のミュージカルから「オンディーヌ」 「トロイ戦争は起こらないだろう」 「ひかりごけ」等のストレートプレイまで、実際に舞台で使用された衣装を間近で見る機会はなかなかないのでテンションが上がります。当たり前ですが、作品によって布の質感も染め方も全然違うんですよね。「トロイ戦争は起こらないだろう」の鎧はかなり重そう。

大町

1983年「キャッツ」初演時の劇場模型


テンションが上がると言えば、その前で長い時間見入ってしまったのが「キャッツ」初演時の劇場模型でした。1983年に新宿西口・高層ビルの狭間で日本初演バージョンが上演された「キャッツ」は、日本で初めてロングランシステムを確立したミュージカルであり、演劇のチケットをぴあ等のプレイガイドに流通させるきっかけになった作品でもあります。

劇団四季がこの「キャッツ」を上演し成功させた事が、日本にミュージカル文化を浸透させる大きなきっかけになったと言っても過言ではない訳で、この作品に関わった人たち全員が、当時この模型を見て色々な事をイメージし、皆が一つの同じ夢に向かっていったのだと思うと何だか胸が熱くなりました。この模型は現在、この場所でしか目にする事が出来ません。初演から30年、「キャッツ」と共に歩んだ最初のキャッツシアター模型。まさに、メモリー!? 

大町

「オペラ座の怪人」2幕の衣装とセットの一部


こちらは「オペラ座の怪人」2幕冒頭でクリスティーヌとラウルが「マスカレード」を歌い踊る時の衣装とセットの一部。こうしてこの場に3つ並べてあるとちょっとシュールな気もしますが、セットの一部を至近距離でまじまじと見る事が出来るのは四季演劇資料館ならでは。

ミュージカルコーナーではこの他にも劇団四季がこれまで上演してきた沢山の作品の衣装や小道具、装置の一部、写真パネル等が多数展示されています。その中から自分のお気に入りの作品を探して思い出に浸ってみたり、今後観劇したいミュージカルをチェックしてみる、なんて言うのもアリだと思います。

クレイジー・フォー・ユー」のサイン入り盆やボビー役の加藤敬二さんが実際に履いたタップシューズ、「アイーダ」の兵士の駒、「ウィキッド」の緑の薬瓶、「ジーザスクライスト=スーパースター」のいばらの冠、「オペラ座の怪人」ファントムのマスクなど実際に舞台で使用された小道具を宝探し感覚でゆっくり見て回るのもめちゃめちゃ楽しそう!

続いて、劇団四季の「ドラマ」に迫ります!

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