越後三大花火を比較
まず比較してみたいと思います。いずれの花火も日付は固定開催となっています■開催日
・7/26:ぎおん柏崎まつり 海の大花火大会
・8/2、3:長岡まつり 大花火大会
・9/9、10:片貝まつり
■公表玉数(参考までに 2012年参照)
・柏崎:15000発
・長岡:20000発(二日間合計)
・片貝:15000発(二日間合計)
■大玉比較
・柏崎:最大3尺玉2発で全国でも珍しい2発同時打ちが有名
・長岡:最大3尺玉は両日共に2発ずつあがり近年では大型プログラム「フェニックス」で2尺も3発上がる。
・片貝:世界最大の4尺玉が両日1発ずつあがり3尺玉も両日数発打上。2日目にあたる10日は真昼の3尺玉が上がる事でも有名!
・柏崎:毎年、地元FMのプロのお姉さんによる放送が有名で時事ネタで分かりやすく明るいアナウンスは柏崎の花火大会を盛り上げてくれます。印象に残っているフレーズは数年前になりますがアバターよりもリアル3Dな柏崎花火大会はやっぱり生で見るのが一番!今年は今、流行りの「アノ」フレーズが出るかも? 今でしょ(笑)
・長岡:こちらは他と比較すると真面目な印象で安定したアナウンスのイメージ。長岡FMぐらいもう少しゆるいアナウンスが好みですが全国に名の知れた大型花火大会に恥じぬ真面目なアナウンスです。
・片貝:こちらは何と言っても片貝名物アナウンスのお母さんが有名。片貝まつりでまず聞く第一声で、あ~今年も片貝に来たんだなっと実感する程で心を込めて一つ一つ、メッセージを読み上げてくれるので時には一緒に貰い泣きする事も。片貝まつりの花火を見にくる事がありましたら是非、この放送の聞こえる場所で花火とご覧下さい。
ここまで比較を書いてみましたがここからはそれぞれの見どころを書いて見たいと思います。
※これは個人的な感想です
ぎおん柏崎まつり 海の大花火大会
海の柏崎と言われているように会場は柏崎海岸の砂浜より観覧できます。打上は多数ある防波堤を使用して最大1500mのワイド幅での打上になります。プログラムにも記載がありますが柏崎の花火大会は片貝煙火店さんがほぼ1社で打上を担当されている事でも有名でオープニングからフィナーレまで片貝煙火ワールドを堪能できます。プログラム構成は毎年、ほぼ一緒になっており尺玉300連発、尺玉100発一斉同時打ち、3尺玉2発同時打ち、柏崎名物・海中空スターマインと広大な防波堤を上手く活かした多彩な花火が楽しめます。
尺玉クラスの大玉をこれでもか!っと言うぐらいに次々上がる様は、新潟はやっぱり尺だよな~っと改めて感じさせてくれる程で最後まで迫力を楽しめます。
長岡まつり 大花火大会
1945年8月1日に空襲を受け壊滅状態となった長岡の町。翌年の1946年8月1日、復興の願いを込めて始まった復興祭の花火、それから数年後に現在の長岡まつりとなりました。川の長岡と言われるように日本一の長さで知られる広大な信濃川河川敷で行われる花火大会。長岡花火の特徴は県内煙火店3社と県外の煙火店2社による合同担当の花火大会。公式記載はされていませんがプログラム毎に異なる担当煙火店の花火は良く見ていると特徴が異なり、同じ錦冠「にしきかむろ」(金色の柳花火)でも太さや色の発色が異なります。
復興花火「フェニックス」が名物となっており最大で2キロ近い幅のワイドスターマイン。180度以上の視界いっぱいに広がる尺玉は圧巻の一言。近年ではNHKの大河ドラマで話題となった音楽スターマイン「天地人花火」も人気となっており他では中々見られない物量に長岡花火のスケールの凄さを体感出来ます。
そして昨年から始まった長岡を舞台にした映画「この空の花 長岡花火物語」とコラボした特別スターマインは僕の2012年、印象に残ったプログラムの一つともなりました。やっぱり今年も長岡は外せない。そんな長岡まつり毎年見たくなるプログラムが目白押しです。
片貝まつり
山の片貝と言われている片貝まつりは小千谷市片貝町で行われます。正式名称は浅原神社秋季例大祭 奉納大煙火。煙火担当は地元は片貝煙火店さんがほぼ1社で担当。世界一と言われている超巨大花火 四尺玉が上がる花火でも有名な片貝まつり。四尺玉って凄い迫力なの?って良く聞かれますが実際は保安距離の関係で打上場所より800m以上は離れなければなりませんので遠花火となります。ですから初めて見る方は予想より小さく見えるはずです。ですが尺玉以下の花火大会ではまず感じられない空振は圧巻ですよ。体に物凄い振動を体感出来ます。(笑)
しかし片貝まつりの花火は実は四尺玉以上の特徴があります。それは奉納煙火である事。奉納煙火とは浅原神社への願いを込めて1発ずつ花火を打ち上げる形式の花火で全国でも珍しい個人協賛が大半を占めているまつりで、その内容は、結婚祝いから追善供養と様々な想いと共に花火が上げられます。
ここの花火だけは通常の花火大会とは異なり聖域のような感じがある事から花火愛好家からは花火の聖地とも呼ばれています。昨年は僕自身も親しくしていた知人の追善供養の花火を上げさせて頂きましたが涙無しには見られず後半はずっと花火が霞んでいました。
そんな片貝まつりは全国からのリピーターが多く、最近では県外からの奉納煙火も増えています。少々倍率は高いですが会場となる、さじき席を購入される事をお勧めします。花火に対する価値観がガラっと変わるかも知れませんよ。僕の大好きな花火の一つです。
新潟には越後三大花火以外にも紹介しきれない程、特徴のある花火大会が沢山あります。今年の夏も新潟が熱い!
写真・テキスト 井上真也
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