家の暑さ対策の基本は窓まわり、日差しは日よけで徹底的にカット
〈夏を涼しくするリフォーム-1>
夏の強い日差しは室温を上昇させるだけでなく、窓まわりや床、壁などを熱し、周囲にいる人の体感温度も跳ね上げます。北側の部屋が涼しく、南西側の部屋が暑いのは、この日差しの量の差によるものです。そこで家の暑さ対策リフォームの1つめの掟は、窓まわりの日射を徹底的にカットすること! 部屋の中に直射日光を入れないのはもちろん、窓の周辺が熱くならないよう、外側から窓全体を覆って日かげにしておきましょう。日射熱を防げば、家の中はぐんと涼しくなります。
窓の上に取付けるアルミ製のバーが1本あれば、すだれや緑のカーテンの取り付けに便利(YKK AP)
涼しくするための大事なポイントは、窓の外側で対策をすることです。また窓下の床面がコンクリートやウッドデッキの場合は、そこに直射日光が当たらないよう、床面も日かげにしておきましょう。人工物は蓄熱しやすく、床が熱くなると、家の中まで暑さを感じるようになります。
窓の外側に取り付けられる日よけには、オーニングや屋外型ロールスクリーンなどがあります。取り付けリフォームは意外と簡単、使う時だけ広げて日陰を作ります。また床面を覆うようにプランターを置いて植物を植えておくのも暑さ対策に効果があります。
窓ガラス面で対策する場合は、日射熱をカットするエコガラスへの交換、遮熱タイプの内窓の取り付けなど、窓の性能を上げるリフォームが効果的です。エコガラスへの交換工事は1箇所30分~1時間程度で、冬の寒さを防ぐ効果もあり、ガラスの交換ならマンションでも可能ですので、管理組合に相談してみましょう。
室内側で暑さ対策をする場合は、遮熱カーテンの取り付けや、ガラス面への遮熱フィルムの張り付けなどがあります。
大事なことは日差しを家の中に入れないことにあります。西日が差す部屋は、午後になったら早めに雨戸やシャッターを閉めておきましょう。
また夏は朝日も強烈です。実は朝日と西日の熱量はほとんど変わりません。涼しく眠り、さわやかに起きられるよう、寝室は西日だけでなく朝日の対策も忘れずにしておきましょう。断熱仕様の雨戸やシャッターを取り付けリフォームしておくと快適に暮らせます。
長い軒や庇は日本の風土にあった先人の知恵
最近は敷地の形状やデザイン、コストダウンなどの観点から、軒が短く、庇が無い家をよく見かけます。しかし日本の暮らしにおいて、軒や庇は家を快適にしてくれる大切な役割を持った部材です。日本の夏は太陽の位置が高いので、長い軒や庇は室内への日差しを遮り、部屋の中を涼しく保ってくれる効果があります。逆に冬は太陽の位置が低いので、軒や庇があっても室内に長く日差しが入り込み、部屋の中をぽかぽかと暖かくしてくれます。
このような家の仕組みは日本の風土に合った、先人の住まい作りの知恵です。窓まわりの工夫で、夏涼しく冬暖かく過ごしましょう。
ロールスクリーンタイプの日よけは、手軽なリフォームで暑さ対策に効果が高い。使わない時は小さく丸めてジャマにならない(オーニング取り付けリフォーム、日よけで夏を涼しくより)
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