荒れた生徒を変える方法「いつも心に太陽を」
あらすじ
希望しているエンジニアの仕事がなかなか見つからず、求職活動をしながら貧しい地区の学校教師になったマーク・サッカレイだったが、彼が受け持つことになったの最高学年は、手のつけられない生徒ばかりだった。おすすめの理由
ギニア国連大使を務めたE・R・ブレイスウエイストの自伝小説を基にした映画です。荒れる生徒に対し向き合う教師というテーマで数多くの映画が作られてきましたが、この作品の主人公であるサッカレイは”腰掛”で教師になった男性。そんな彼が生徒とどう向き合っていくのか?どうしてもこういうパターンの場合、熱血教師を連想しがちですが、サッカレイはそうではありません。やがて社会に出て行く若者にとって、何が一番必要で重要なのかを教えていきます。
貧しさや家庭の有様にフラストレーションが溜まったり、将来への不安から落ち込んだり、そういったところは現在にも通じる若者の悩み。しかし、他者からの影響に嘆いても仕方ない。社会に出て、己の力で生きてゆかねばならない。
サッカレイは自分の経験もふまえ、社会で生きていくために”身を美しく”と書いて”躾(しつけ)”という漢字がごとく、生徒に言葉遣いや礼儀を自覚させ、実践させていきます。
礼儀こそが何よりも重要であるということが目からウロコでした。心を変えるには行動を変えると早いと言いますが、まさにそれです。
子ども扱いされるのは嫌なのに大人には反発する。そういう思春期の子に苦慮する親なんかも、大いに参考になる作品だと思います。
■作品名「いつも心に太陽を」(原題:TO SIR, WITH LOVE)
・1967年 イギリス=アメリカ製作
・監督 ジェームズ・クラヴェル
・主演 シドニー・ポアチエ