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武藤敬司の叡智が詰まったW-1が旗揚げ!

全日本を離脱した武藤敬司が遂に新団体を設立、9月8日の東京ドームシティホールで旗揚げ戦を開催することが決定しました。武藤にとっては、膝の手術を中止してまで立ち上げた新団体W-1は最後の大勝負の舞台になるでしょう。この新団体の根幹をなすのは武藤の叡智。その秘密と新団体の方向性に迫りましょう。

小佐野 景浩

執筆者:小佐野 景浩

プロレスガイド

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武藤敬司率いるW-1が旗揚げ

団体名W-1にこめられた武藤の思い

02年10月から11年続いた武藤・全日本は6月30日の両国国技館大会で終焉。7月5日には全日本プロレスが新体制を発表しましたが、それから5日後の7月10日、新オーナーの白石伸生氏との方向性の違いから全日本の代表取締役会長を辞任し、選手としても全日本を退団していた武藤敬司が新会社設立と新団体旗揚げを発表しました。

武藤が代表取締役社長となって設立された新会社は株式会社GENスポーツエンターテインメント(略称GSE)。GENは玄人(くろうと)の玄。プロフェッショナルの集団を意味するといいます。そして団体名はWRESTLE-1(レッスルワン=略称W-1)です。

W-1とは武藤が2002年10月に馬場元子夫人の後継として全日本プロレスの代表取締役社長に就任した直後に、格闘技ブームを担うK-1、PRIDEと合同で仕掛けたイベントの名前。当時、人気絶頂だったボブ・サップを始めとする格闘家たちが全日本の選手とエンターテインメント色の濃いプロレスを展開するという新しい試みで、地上波のフジテレビで放映されました。しかし、主催者側の足並みが揃わずに02年11・17横浜アリーナと03年1・19東京ドームの2回の開催で頓挫しています。

武藤は新団体名をW-1にしたことについて「あの時は志半ばで終わったけど、気持ちはその時のままだから。ただし、以前やった形態とは全く違うものになる。やっぱり常に時代に合ったプロレスをやっていかないと風化してしまう。W-1はプロレスの未来につながる橋になればと思っているよ」と説明。

WにはWIN(勝利)、Worldwide(世界的な)の意味合いもあり、全日本時代の08年~12年の4年連続で台湾興行を成功させている武藤は、W-1でも台湾、さらに香港、シンガポールなどアジア圏での展開を考えています。会社名と団体名を分けたのは、会社としては将来的にはプロレスだけでなく他のエンターテインメントにまで拡大していきたいという思惑もあるようです。

会見に出席した所属選手は、全日本の6月ツアーの段階で武藤に追従することを表明していた船木誠勝、カズ・ハヤシ、近藤修司、田中稔、河野真幸、KAI、大和ヒロシ、浜亮太、中ノ上靖文、練習生の石坂ブライアンと吉岡世紀。リングスタッフとして阿部誠リングアナウンサー、村山大地レフェリー、神林大介レフェリーも出席しました。またメキシコ修行中のアンディー・ウー、稲葉大樹(日本未デビュー)もW-1参加が決定しています。

これによって今回の分裂騒動で進路が不明なのは渕正信、7月2日に全日本退団を表明したものの今後については言及していない真田聖也の2人だけになりました。

そして注目の旗揚げ戦は9月8日、東京ドームシティホールに決定。その後の興行展開はまだ決まっていませんが、武藤は「単発の大会ではなくてシリーズを組んでいきたいよね。リングスタッフも揃っているしね。それが俺の原点だから」と従来通りにシリーズを組み、全国をツアーしたいとしています。
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