子育て/子供の防犯対策

ネットいじめ対策は小さいうちからがカギ

ネット、メール、LINE。コミュニケーションがますます便利になってきている現代は、それによる別の問題も引き起こしています。昔は存在しなかった「ネットいじめ」。相手が見えないゆえに凶悪化しがちなのが特徴です。ネットいじめが子どもの心に与える傷の深さをシンガポールの調査を交えてお伝えします。

佐藤 めぐみ

執筆者:佐藤 めぐみ

子育てガイド

悪性化しやすい「ネットいじめ」とは?

相手が見えない分、残酷になりやすいのがネットいじめ

相手が見えない分、残酷になりやすいのがネットいじめ

インターネット上の掲示板、メール、LINEなど、情報交換がますます簡単に頻繁になっている現代、これらの媒体が、新たな「いじめの温床」となりつつあります。学校などでの直接のいじめ(以下、リアルいじめ)に対し、パソコンや携帯などのツールを使って、目の前にいない相手を言葉で攻撃するいじめが「ネットいじめ」と呼ばれるもの。

■ネットいじめのパターン:
  • 「なりすましメール」 名前やアドレスを偽ってメールを送る。受信者の携帯画面上には偽装アドレスだけが表示され、本当の送信者のアドレスは表示されないために、「仲良しの子が悪意のあるメールを送ってきた」「クラス全員から悪口が送られてきた」のように思い込み、学校へ行けなくなる子も。
  • 「チェーンメール」 「誰かに送らなければ不幸になる」「危害を加える」のような脅かす内容が多い。知り合いにむりやりメールを転送することを強いられるので、友情関係に影響を及ぼす。また、特定の子の誹謗、中傷を書いたメールを作り、次々と同級生の間で転送されることも。
  • 「学校裏サイト」 学校の名前をつけた掲示板がネット上に開設され、生徒を中傷する書き込みが行われる。主には、誹謗、中傷、個人情報の漏洩、不適切行為の暴露など。2012年には東京の公立校の2割に裏サイトの存在が確認されている。
■ネットいじめの特徴:
  • 匿名性があるために、加害者側が罪悪感を感じにくい
  • それにより、表現、言葉づかいがエスカレートしやすい
  • 直接向き合っていないために、相手の気持ちも理解できていない
  • LINEや掲示板などの特性から、横に広がりやすい
  • 文字として残ることで、被害者は画面を見るたびに心が傷つくことになる
  • 媒体がネットや携帯なので、24時間、絶え間なくいじめが継続する
まさに、ネットいじめは、言葉の暴力。最近の調査でも、ネットいじめが心に与える影響は、リアルいじめと同等か、それ以上という結果が出ています。決して侮ってはいけないのが、「ネットいじめ」なのです。

>>次ページで、その調査結果をお伝えしつつ、ネットいじめの深刻さについてあらためて考えていきます。

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