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7月14日に発進! 全日本プロレス新体制誕生の舞台裏(2ページ目)

6月30日の両国大会をもって2012年10月から続いた武藤体制の全日本プロレスが分裂騒動によって終焉し、7月5日には新体制が発表されました。なぜ全日本は13年前と同じように分裂騒動に見舞われてしまったのか? そして退団した武藤に追従することなく全日本残留を決めた三冠ヘビー級王者・諏訪魔、バーニングの秋山準らの胸中は? 

小佐野 景浩

執筆者:小佐野 景浩

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残留を決意した選手&スタッフの胸中は…

そして7月5日、東京・水道橋の東京ドームホテルで全日本プロレス新体制記者会見が行われました。全日本に残った所属選手は諏訪魔、KENSO、大森隆男、征矢学、SUSHIの5選手。大森は13年前の分裂騒動では全日本を去っていて、昨年1月に再入団したばかり。「自分も経験しているから、武藤さんに付いていく若い選手の気持ちはわかります。でも、僕は2度も全日本を裏切ることはできない。全日本でレスラー人生をまっとうします」と大森。征矢は左目と肩の手術をして欠場中ですが「大森さんとのGET WILDとして復帰することしか考えられない」と残留を決意しました。ジュニア・ヘビー級のSUSHIは6月シリーズ中から「諏訪魔と全日本を守る」と態度を明確にしていました。

新生・全日本にとって大きかったのは2月からフリーとして参戦している秋山準、潮崎豪、金丸義信、鈴木鼓太郎、青木篤志のバーニングがフリー参戦ではなく、正式に所属選手になったことです。6月シリーズ開幕当初から秋山は「諏訪魔が残るというなら」とバーニングとしての継続参戦を明言していましたが、所属になることを決意したのは記者会見当日だといいます。

「6月30日の両国で三冠戦を闘った後の諏訪魔の“これからもずっと闘っていきたい”っていう言葉に背中を押されたね。フリーのままだとファンの人から“フリーだったら、いつでも出ていけるでしょ”みたいな見方をされるのも嫌だし、所属選手が少ない今の状況だと、カードを組むのも大変だからね。所属になればバーニング同士の対決も組めるし、バリエーションが広がるでしょ。やっぱり俺は1回、全日本を出ているから、もう1回、全日本という名前を裏切ることはできなかったよ」と秋山。秋山も大森と共に13年前に全日本を飛び出しています。金丸にしてもそう。一度出て行った人間だからこその故郷への愛着の強さがあるようです。

この他、1月から経営学を学ぶためにレスラー休業中だった太陽ケアが6・30両国に続いて新生・全日本のスタートとなる7月14日の後楽園ホールに出場します。ケアは94年にハワイでスカウトされ、全日本でプロレスラーになった馬場の愛弟子のひとり。13年前の分裂騒動でも全日本にとどまった男です。また、フリーとして05年から全日本に参戦している元横綱の曙が諏訪魔のラブコールを受けて継続参戦を決めています。レスラー以外ではボンバー斎藤レフェリー、馬場・全日本時代からの木原文人リングアナウンサーが残留。馬場の側近で2年前に全日本を去った和田京平レフェリーも名誉レフェリーとしての参加が決まりました。74年4月デビューから39年間、全日本一筋だった渕正信が名前を連ねていないのが気になりますが、和田レフェリーは「渕君を連れて来られるかどうかは諏訪魔の宿題」とニヤリ。諏訪魔の全日本愛が頑固な重鎮に通じるか試されるところです。

「私の不徳とするところから分裂騒動を招いてしまったこと、私の発言で傷つけてしまった業界全体にお詫びします。私は今までマイナスなことしかしてきませんでしたが、馬場さんが創られて40年間脈々と受け継がれている伝統は守る価値があるものだと決意を新たにし、新しい全日本を作ってきたいと思います」とは白石社長の弁。

7月14日、新生・全日本プロレスは“明るく楽しく激しいプロレス”という原点回帰からスタートします。
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