株式戦略マル秘レポート/戸松信博の「海外投資、注目銘柄はここ!」

勝率44%でも利益はプラス!必勝の売買戦略を探る

米国の幅広い大型株をカバーし、1950年以降の長期データが揃っている「S&P500指数」を使って売買戦略を検証してみました。そこから見えてきた答えは、「株は相場の良い時にだけ買い持つべし」というものです。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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S&P500指数で売買戦略を検証

今回は、米国の長期データから投資戦略(売買ストラトジー)を検証してみたいと思います。米国の幅広い大型株をカバーし、なおかつ1950年以降の長期データが揃っている「S&P500指数」を使用した買い戦略です。非常にシンプルな戦略で、長期に確実に勝てる戦略を検証してみました。実際この戦略はあまり現実的ではありませんが、株式取引の必勝法を考える上で有益なデータを含んでいると思います。

今回立てた買い戦略の主旨は、株価が明らかに上昇トレンドに乗っているときにだけ買い持ち、少しでもぐらつけば直ちに売却する、というものです。これを簡単に実現する方法として、以下のような条件を設定しました。
  • 使用データ:S&P500指数 週足
  • 検証期間:1950~2013年(直近週まで)
  • 買いのタイミング:「10週線が40週線を上回り」かつ「株価が10週線を上回れば」翌週始値で買い
  • 売りのタイミング:株価が10週線を下回った翌週に取引を終了
週足S&P500と10週及び40週移動平均線

S&P500と10週および40週移動平均線(週足) ※クリックで拡大


上がり始めたら買い、下がり始めたら売るだけのシンプルな戦略

「10週線が40週線を上回っている時」とは、上の図で言うところの(1)~(2)の期間を指します。(1)は10週移動平均線が40週移動平均線を上抜けるポイントであり「ゴールデンクロス」とも呼ばれます。反対に下抜ける(2)のポイントを「デッドクロス」と呼び、下落トレンドの始まりを示唆します。

いったんデッドクロスすれば、次に再びゴールデンクロスするまで(今回の戦略では)一切買いを封印する、という設定にしています。そしてこの(1)~(2)の買い準備期間中に、「株価が10週線を上回っている間だけ」買い持ち、10週線を下回った瞬間に、デッドクロスを待たずに売却する、という安全な戦法です。再び株価が10週線を上回れば買い入りますが、その時にデッドクロスしていないことが常に買い入りの条件となります。 

1950年から上記の売買を繰り返したすると、以下のような結果(一部抜粋)が出てきます。
売買シミュレーション検証データ(一部抜粋)

売買シミュレーション検証データ(一部抜粋) ※クリックで拡大


62年以上のデータになりますので、取引は合計204回にも及びます。年に平均3.3回売買がある計算です。上の表は1950年10月9日(買い入り)~同年12月4日(ロスカット)の最初の取引から3回目までを上段に書き、下段にはここ数年の最終204回目までの取引を時系列順に載せています。「価格」とあるのはその時々のS&P500指数の値です。すべて一回の取引で100万円ずつ買い入ることとし、損益結果を%と金額の両方で表示しています。当初100万円から開始された残高は、62年間の損益を積み重ねて最終370万円ほどになっています。

勝ちトレードが90回、負けトレードが114回、勝率は44%です。なのに平均損益率は1.33%とプラスになっています。なぜでしょうか?

勝率は44%でも、勝つ時は負ける時の3倍近く儲ける!?トレードの極意は次ページで>>>
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