渋谷西武B館地下1階にオープンした「Living Edition」。都心を中心としたインテリアショップ11店舗が集まりました。以前はスポーツ用品売場だったところです。
発想の原点はデパート名物「駅弁フェア」
「Living Edition」の原点は『駅弁フェア』にありました」と野田さん。「90年代の後半から、都心デパートの家具売り場は急速に縮小されていきました。その要因のひとつは『坪効率』にあります。バブル崩壊以降の売上減少にともない、百貨店は一坪あたりの売上効率を重視するようになり、売り場面積をとる家具は、ファッションやアクセサリーにおされていきました。しかし私は以前から、衣食住のすべてを広く網羅するのが百貨店の役割ではないかと提案して来ました。最近は百貨店も他店との差別化のためにはインテリアを充実させることが大切と気づき始めています。しかし、そこに立ちはだかるのが坪効率なのです」。野田 豪さんの主宰する「AREA」のブース。オリジナルの家具、建具、システム収納などを駆使した、オートクチュールな空間提案を行なっています。
今回唯一のテキスタイルショップ「カサマンス」。フランス産のコントラスト感のあるカーテンやクッション、椅子張り地を提案しています。
確かに百貨店の家具売り場は、中途半端な感じがするのも確かです。せっかく買うならば出来るだけたくさんの製品を見たいのが正直な消費者心理でしょう。
「限られた面積で各店の魅力を表現できる手段を考えた末、それは特注対応やコンサルティングだと思いました。生活のイメージを空間として提案する能力があれば、小さな面積のショップでもユーザーに満足度して頂けます。それを可能にするのが、都内を中心に展開するインテリアショップなのです。インテリア雑誌の付録などで、東京のインテリアショップガイドは安定した人気を保っています。その実物版を百貨店で実現すればいいことに気づいたのです」といいます。
目黒を中心に無垢の木の家具を提案する「ブランチ」のブース。モダン、オリエンタル、ナチュラルなど、様々なスタイルのショップがバランスよくエディションされていました。