メルセデスEクラスが渾身のビッグマイナーチェンジ(2ページ目)

AMGモデルにも4MATICがラインアップ

AMGモデルについても大きな変更がありました。ひとつは4MATICがラインアップされたこと。セダンは後輪駆動も選べ、価格は4MATICが25万円高となっていますが、ワゴンは4MATICのみの設定となっています。

これまでも、ハイパワーを誇るAMGモデルであればなおのこと、四輪駆動のほうが好都合ではと常々思っていたのですが、ついにそれが現実となりました。ただし、前後の駆動力配分は33：67と、通常の4MATICよりも後輪よりとなっており、スポーティなハンドリングは損なわれていません。路面の条件が悪化すると後輪駆動に比べて有利であることはいうまでもありません。

もうひとつ、これまで「パフォーマンスパッケージ」として設定されていたハイパワーバージョンが「Sモデル」として独立しました。そのSモデルの4MATICのセダンをドライブしたところ、どこからでもありあまるほどのトルクを発生するエンジンの力を、4MATICならではのスタートダッシュにより、アクセルを踏み込んだ瞬間から一気に加速モードに突入します。実際、0-100km/h加速は実にSLS AMGと同じ3.6秒という速さを誇ります。
また、新型Eクラスの大きな進化ポイントとして挙げられるのが、「インテリジェントドライブ」です。これは既存のRSP（レーダーセーフティパッケージ）を大幅に進化させ、さらに新しい機能を組み合わせたもので、快適性と安全性の向上に寄与します。

いくつか機能を挙げると、衝突回避をサポートする「BAS（ブレーキ・アシスト・システム）プラス」には、センサーが追加されたことで、歩行者の飛び出しや後方の衝突などにも対応できるようになりました。また、「ディストロニック・プラス」には、車間距離を維持しながらステアリング操作をアシストする機能が追加され、より容易に先行車両に追従してくれるようになりました。さらに、「アクティブレーンキーピングアシスト」は、カメラが車線を検出し、前輪がそれを越えたと判断すると、ステアリングを振動させて警報を発するし、それでもドライバーが反応しない場合は、自動補正ブレーキによって自然なフィーリングで車両を車線内に復帰させてくれます。ここまでくると、もはやメルセデスがアナウンスしているとおり「半自動運転」の領域といえるものです。また、駐車スペースを自動的に検出するとともに、自動でステアリングおよびブレーキを制御して駐車を支援する「アクティブパーキングアシスト」は全車に標準装備されます。

これほど大幅に進化していながら､従来モデルに対して価格が据え置きというのも驚きです。