映画を通じ日米の相互理解に貢献した『荒野の七人』
あらすじ
西部開拓時代、メキシコの寂れた寒村。 毎年収穫期になるとこの村はカルベラ率いる無法者集団の略奪に苦しめられていた。3人の農民が立ち上がり彼らと戦うことを決意する。3人は銃を買うために訪れた国境の町で凄腕のガンマン、クリスとヴィンに出会う。事情を聞いた2人の元にさらに名うてのガンマン5人が集まる。村に集結した7人と農民達は不思議な友情で結ばれていく。そしてついに一味の襲撃が開始される。しかし村に1人の裏切り者が現れ……。
おすすめの理由
本作はあの黒澤明監督の代表作『七人の侍』を、西部劇・アクション映画で活躍したジョン・スタージェス監督が舞台をメキシコに移しリメイクした作品です。ストーリーの骨格的な部分は『七人の侍』と同じですが、ディテールは西部劇そのものなのでリメイクものと知らずに観れば全く気付かないと思いますし西部劇としても傑作の1本です。
この作品の特別な魅力は日本の映画をハリウッドが内容を正当に評価した末(脚本の買取金額は微々たるものでしたが)、正式にリメイクした初期(最初かどうかは不明)の作品ということで後の日米映画界や監督、俳優たちに様々な影響を及ぼした点です。
これは黒澤明、三船敏郎両氏への評価をさらに高めたばかりでなく、日本に対する敬意と理解に貢献しましたし、それをハリウッド的に置き換えても人の心を打つ普遍的な高い精神性が日本文化にはあると証明しました。
黒澤氏はスタージェス氏に感謝の印として日本刀を贈り、ルーカスやスピルバーグは後にスターウォーズで侍の精神にオマージュを捧げました。
またテーマ曲は映画館などでよく流れる定番サントラです。往年の映画ファンなら心躍らせるメロディーですし、ほとんどの方が1度は耳にしたことがある名曲でこちらもお勧めです。
■荒野の七人(THE MAGNIFICENT SEVEN)
・監督:ジョン・スタージェス
・主演:ユル・ブリンナー スティーブ・マックイーン チャールズ・ブロンソン ジェームズ・コバーン
・商品データ
- DVD/Blu-ray発売:有
- 販売元:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン