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子どものうつ:そのリスクを減らす2つの対策(2ページ目)

何となく、うつ病は大人が患うものというイメージがありますが、最近では、子どものうつ病も深刻な問題になってきています。そのリスクを少しでも減らすために親ができることを2つの視点からお伝えします。

佐藤 めぐみ

執筆者:佐藤 めぐみ

子育てガイド

リスクを減らす工夫 その2: お友達スキルを身につける

お友達つきあいが上手な子はうつになりにくい

お友達つきあいが上手な子はうつになりにくい

最近、カナダで行われた双子研究が、子どものうつのリスクを減らすポイントを見出しました。それは、子どもの交友関係。友達のあり方がその子のうつのリスクに関係していることが分かったのです。そしてその結果は、男の子と女の子で大きな違いが見られました。早速、その結果を、男女別に見ていきましょう。

■女の子の場合、濃い友情が遺伝リスクをも超える強みになる

双子の研究などからも分かっているように、うつは遺伝する傾向があります。しかし、この研究に参加した女の子で、たとえ遺伝的にうつ病に罹患するリスクが高いとされていても、1人以上仲のいい友人がいる場合は、発症しにくくなるということが分かりました。

つまり、女の子においては、1人の親友の存在が、遺伝のリスクからその子を守ることが期待できるとのこと。これに対し、男の子の場合、友情はうつのリスクを減らす要素ではあったものの、遺伝的なリスクを超えるほどの結果ではありませんでした。

なぜ女の子だけにこのような現象が見られたのでしょう?

研究者達は、この結果を、

「女の子は、自分の存在や評価を友情を通して得る傾向が強く、互いの気持ちを支えあったり、お互いの悩みを打ち明けあったり、共感しあったりする。この女の子特有の友情関係が、この違いを生んだようだ。」

と説明しています。


■男の子の場合、友人の数が強みになる

遺伝要素を抜きにした男女の違いを比較すると、男の子に関しては、友達が多いことが、うつのリスクを減らすのに対し、女の子にはこの傾向は見られなかったそうです。これは、男の子はグループでの友情を好み、女の子は1対1の濃い友情関係を好む傾向があるからではと結論づけています。


■幼少時からの、ソーシャルスキルトレーニング

小学生にまでうつのリスクが下がってきている現代、親はこれまで以上に、子どもの交友関係を気にかけていく必要があります。「なんか今日はいつもと違うな」「最近、学校のことを話さないな」と感じたら、いつも以上に愛情たっぷりで接する心がけをしていくことで、子どもは心を開きやすくなります。子どもからのサインに気づいてあげる親でありたいですね。

そして、幼少時に、お友達と仲良く遊べるスキルを身につけておくことも、とても大事。友達と上手に関われるスキルこそ、大きくなってからのうつのリスクを減らしてくれるものなのです。

お友達遊びを始める1歳半くらいから、積極的に外に出してあげましょう。公園の砂場などで同年代の子と交わる経験こそ、ソーシャルスキルトレーニングの第一歩です。一緒に遊ぶ中で学ぶ、物の貸し借り、順番待ちなどのソーシャルスキルが、やがて、うつから守ってくれる友達の存在を増やしてくれるのです。
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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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