オンラインマルチがPS Plusのキラーコンテンツに
ファーストパーソン・シューティングなどではオンラインマルチプレイは非常に重要なサービスとなります
しかし、もう1つの考え方として、PS Plusを普及させる切り札としてオンラインマルチプレイというサービスを使った、という見方をすることもできます。PS Plusは中々魅力的なサービスですが、重要なのはフリープレイなどのコンテンツの充実です。そして、コンテンツを充実させるにはたくさんの会員がいてサービスがビジネス的に成功していく必要があります。
サービスが充実しないと利用人数が増えません、しかし利用者が多くなければ中々サービスを充実させることが難しい、鶏が先か、卵が先かというジレンマをどこかで乗り越えなければいけません。PS4が順調に普及していくならば、PS Plusはオンラインマルチプレイを遊びたいユーザーによって、少なからず拡大していくでしょう。もしかすると大きく飛躍するかもしれません。そうなってくれば、当然できることも増えていきます。
有料だからできること
DriveClubはオンラインコミュニティを強く意識した、新作のレースゲームです
SCEが有料のオンラインサービスに本気で力を入れていくという姿勢は、PS4の本体同時発売予定タイトルの「Driveclub」という新作のレースゲームの施策に象徴されます。これは通常販売されるゲームソフトの他に、基本機能を無料で遊ぶことができる「Driveclub PS Plus Edition」というPS Plus会員用のバージョンが用意されるということです。パッケージ版と比較すると仕様が制限される部分があるようですが、それでも月額500円の枠内で、PS4の新作タイトルが遊べてしまうとはなんとも豪快な話です。
また、今後のオンラインサービスを考える時には、ゲームの複雑な処理をオンライン上のサーバーで行うゲームストリーミング、これを可能にするGaikaiというサービスをSCEが買収していることは押さえておく必要があります。
ゲームストリーミングは本体にゲームをダウンロードして本体でゲームの処理をするのではなく、クラウド上のサーバーでゲームを処理して、そこに本体が接続してゲームを遊ぶという方式です。例えば、オンラインで配信されているゲームがダウンロードの時間を要さずにすぐ遊べたり、あるいはサーバーで処理することによってハードの性能以上のゲームを実現する、なんていう可能性を持ち、これらをPS4で活用していくことが明言されています。
PS PlusでGaikaiによるサービスが提供されるかはまだ発表されていませんが、PS Plusの拡大は、Gaikaiによる新しいゲームサービスの基盤となる、ということは十分考えられる話です。
PS Plusのようなサービスが拡大していくとすれば、それはコンシューマーゲームビジネスの転換をも示唆します。