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赤ちゃんの感情の発達の仕方を、知っていますか?

赤ちゃんは泣いたり笑ったり、見ていて飽きませんね。でも、その赤ちゃんの感情がどの順番にどうやって発達するかあなたは知っていますか?今回は赤ちゃんから二歳までの「感情の作られ方」を、子育てに奮闘中のママ・パパにお伝えします。

執筆者:青木 美惠子

赤ちゃんの感情の発達の仕方・順番

赤ちゃんの感情の発達の仕方を、知っていますか?

赤ちゃんは体全体で感情を表現しています

赤ちゃんをあやすと手足をバタバタさせて全身で喜びを表現してくれた。そんな経験は、ママなら誰しもが持っているものでしょう。これは実は、赤ちゃんの感情表現の一つ。子どもの感情発達を初めて本格的に研究したとされるブリッジズによると赤ちゃんの感情は以下のように分かれていくといいます。

まず出生時には「興奮」のみ。生まれた当初はシンプルな感情だけで生まれてくるとされます。後に生後三ヶ月くらいで「快」「不快」が加わり三つの感情に増えていきます。やがて六ヶ月頃には「不快」のジャンルに三つの分野が登場します。「怒り」「嫌悪」「恐れ」です。

そして一歳くらいで今度は「快」のジャンルに「得意」「愛」という二つの分野が登場します。その後一歳半になると「愛」のジャンルに「対児童」「対成人」が、「不快」のジャンルに「嫉妬」が追加され、2歳になると「快」のジャンルに「よろこび」が追加されて、主な感情が完成します。

このとき興味深いのが「嫉妬」の登場は「対児童」「対成人」と同時期に登場し、「よろこび」が登場したときには「不快」のジャンルには何も登場しないということです。何より「不快」から感情は作られ始めるということもとても興味深いのではないでしょうか。人間が快より不快の方に目が行きやすいのは、不快だけしか認識できずに過ごしてきた時期が生後半年間もあることもあるかもしれません。
   

「基本的感情」ってなんだろう?

お子さんの基本的感情は早期に芽吹いています

お子さんの基本的感情は早期に芽吹いています

実は、ブリッジズの研究は1932年というかなり昔のもので、最近では新生児の新しい研究が進むにつれてブリッジズが指摘していたよりもかなり早い生後6~8ヶ月までには基本的感情がすべて出揃うと考えられています。では、ここでいう「基本的感情」とはなんでしょうか?基本的感情と芽生え方の順を以下にまとめます。
(参考:「手に取るように発達心理学がわかる本」(かんき出版)目白大学教授 小野寺敦子著)

苦痛⇒悲しみ・嫌悪⇒怒り・恐れ

興奮⇒⇒⇒驚き

満足⇒喜び

基本的感情とは「喜び」「悲しみ」「嫌悪」「怒り」「恐れ」「驚き」の6つで、生後六ヶ月ごろまでにほぼ発達するとされています。その発達を促すためには、お子さんの認知能力の発達や親子の愛着関係の発達がうまくすすんでいることが大切であるとされています。

 

「共感」は二歳前後まで育っていない

子どもの心、気にしてますか?

子どもの心、気にしてますか?

赤ちゃんは一般的に一歳の後半ぐらいから「照れ」「共感」「羨望」といった新しい感情が出現するといわれます。そして、二歳半から三歳にかけて「誇り」「恥」「罪悪感」といった感情がみられるようになっていきます。このころからようやく善悪の判断が育ってくるのと同時に「いけないことをしてしまって悪かった」という気持ちがようやく芽生えてきます。ということは反対にそれまではお子さんを叱って「反省しなさい!」などと怒っても、あまり効果がないということになります。

二歳までは「いい」「わるい」を教えている段階。たくさん叱るのは当たり前のことだと思ってください。そうしなければ、お子さんは善悪を覚える機会を失ってしまい兼ねません。

「うれしい」「かなしい」という自分の気持ちを意識できるようになるには自己の発達が必要になってきます。この時期に大人は子どもの示す感情を読み取りその感情に名前をつけてフィードバックしてあげることが大切になってきます。「絵本を取られて悲しかったね」「ひとりでお着替えできて、えらいね」などの励ましがお子さんの感情を認識しやすくし育てていくことになるのだということを知っておいてくださいね。

参考:「手に取るように発達心理学がわかる本」(かんき出版)
目白大学教授  小野寺敦子著

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