天保年間創業の千住市場の川魚問屋「中市」が前身
戦後、1952年(昭和27年)日本橋室町に100円うな丼として登場した登亭。そのころ、戦後の物資統制も撤廃され、養殖うなぎの生産量も増加してきた頃だ。高級お座敷料理から、うまくて安い鰻料理を、大衆に提供したいという創業者田中氏の思いからスタートしている。規格外となるうなぎを使うことででコストダウンを図り、うなぎの大きさによって調理工程が変わるため、調理方法の研究を重ね効率化を図る。養殖、天然、サイズに拘らず伝統的な調理方法で調理して身を組み合わせて丼に盛るというスタイルを確立した。うまい、安い、早い、うな丼の登場となった。こんな大胆なことができたのも、1830-1843年(天保年間)創業の千住市場で天然鰻と養成鰻を扱う川魚問屋「中市」が前身であるからだろう。
銀座で手軽にうな重
現在では銀座店、新宿店、上野広小路店、登三松(東銀座店)の4店舗が営業している。銀座並木通り口近くの、グッチの路地を入ると登亭銀座店がある、店頭でお弁当も販売している。店内はカウンター6席、テーブル2卓二人用ほど、思ったより小さなお店だ。メニューはシンプル。うな丼は1470円(半身)より、うな重は梅(0.75尾)2100円、竹(1尾)3200円、特上(1.5尾)4500円。グレードで鰻の量が違うとのこと。鹿児島産のうなぎを使用している、うな重梅2100円肝吸い付きを注文する。待つこと5分、うな重登場。うな重(竹)以上をおすすめする
「早い」を売りにしているだけあり、席について身の回りの整理をしている間に提供される。皮は薄く柔らかく、脂ののりもよくトロッとする感じだ。身はやや厚め、フワッとして柔らかい身だ。タレは甘辛、濃すぎず薄すぎず、うなぎとタレのバランスもよい。今回は梅(0.75尾)にしたので、ご飯とうなぎ蒲焼のバランスが少々具合が悪い。やはり1尾の蒲焼がのる竹をおすすめしたいところだ。このうなぎ高騰のご時世に安くを求めるのはちょっと厳しいのかもしれない。昼時、サラリーマンが次々と入ってくる、若い女性の姿も見られる。皆さくっと食べてさくっと店を出ていく、粋である。■新橋 登亭 銀座店
住所:東京都中央区銀座4-3-7 スバルビル1F
電話番号:03-3535-5341
営業時間:11:00~21:00
地図:Yahoo!地図情報
URL:http://www.noboritei.co.jp/