戦争など絶対にしてはならない、とそんな思いにさせてくれる反戦映画
■監督藤本真澄 田中友幸
■主演
フランキー堺、宝田明、音羽信子
■DVD販売元
東宝ビデオ
1061年に公開された、東宝制作の特撮SF映画「世界大戦争」。
今観ると、すごい有名な役者さんが勢揃いしている映画です。
■あらすじ
戦後、急速に復興する日本で、外国人記者センターの運転手として働く、田村茂吉(フランキー堺)。
そして長女、冴子(星由里子)は、下宿している青年、高野(宝田明)との結婚も決まる。
しかし、世界は、連邦国と同盟国に別れ、お互いに核兵器を持って対峙。
情勢は徐々に緊迫し、実戦で核兵器が使われたことで一気に悪化。
日本もミサイルへの警戒が初め裏、国民は不安のどん底に突き落とされ……
■おすすめの理由
この映画は単なるSF映画ではなく、いつでも起こりうる戦争を普通に生活する国民の姿を通して
表現した反戦映画です。
根底に流れるのは仏教の「無常」……監督は、僧侶でもあるとか。
東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、モスクワ…多くの人の生活がある都市が、核ミサイルによって
破壊されて行く。
このシーンは非常に完成度が高く、当時としては驚きの映像だったでしょう。
もちろん、今のCGを駆使した迫力の映像はリアリティがありますが、逆にウソくささも感じてしまう時もあります。
この映画は、当時の有名な俳優を数多く起用し、特撮にもかなり力を入れているので、まさに入魂の一作といった感じです。
最後の食事のシーン、恋人同士の「コウフクダッタネ」とやりとりするアマチュア無線の会話、主人公は夕陽に向かって「母ちゃんには別荘を建ててやる! 冴子にはすごい婚礼をさせてやる!」と叫ぶシーンは泣けてしまいます。
核戦争なんて、なんて愚かな選択なんだろう、普通の人々の生活を簡単に奪い、多くの犠牲を出し、そこで得れるものなど何もないのに。
戦争など絶対にしてはならないと、拳を握りしめたくなるような、そんな強い思いにさせてもらえた、
いい映画でした。