お互いに対する羨望と優越感が、姉妹の憎しみをどんどん深めていく
『何がジェーンに起こったか』
■監督ロバート・アルドリッチ
■主演
ジョーン・クロフォード、ベティ・デイビス、アンナ・リー
■DVD販売元
ワーナー・ホーム・ビデオ
1962年にアメリカで上映された「何がジェーンに起こったか?」。
往年の名女優ベティ・デイビスと、ジョーンクロフォードの豪華な2大女優対決の
サスペンス映画です。
■おすすめの理由
怖い映画です。
怪物や幽霊が出る訳ではないけど、だんだんと狂って行く姉妹にたまらない恐怖感を覚えます。
物語は……
6歳でヴォードヴィルの舞台に立つほど、愛くるしい姿と歌、踊りで人気の天才少女、
ジェーン・ハドソン(ベティ・デイビス)。
(でも、この子役が、美少女という設定なんですが、妙に怖いんですよね……)
輝くような彼女の舞台を、実は嫉妬の目で観ている姉のブランチ(ジョーン・クロフォード)。
公私ともに人気者の妹とくらべ、ぱっとしない姉だったが、大人になり映画の時代を迎えると、
姉は演技派女優として認められ、妹のジェーンの人気は衰えて行った。
姉妹の立場は逆になり、酒浸りになるジェーン。
そして、ある日交通事故に会いブランチは歩けなくなり、姉妹は二人だけで暮すようになるが……
歩けなくなった姉を面倒を見る妹ですが、動けない姉を徹底的にいたぶります。
姉の食事に死んだ鳥やねずみを出す。
驚いて投げ出す姉を見て、狂気のように大笑いする妹……
こういうのは、幽霊やモンスターよりも怖いですね。
過去の栄光が忘れられないのか、誰も訪れる訳でもないのに、老女には全く似合っていない、
可愛い衣装にネックレスやブレスレットで装うジェーン。
姉妹だからこそ見過ごすことのできない、お互いに対する羨望と優越感が、それぞれの憎しみを
どんどん深めていくようです。
特に、ベティ・デイビスの老醜とも言っていいほどの怪演ぶりは、凄まじいものがあります。
ストーリーも、二人の大女優の演技も、とても面白いサスペンス映画でした。