異常な行動を起してしまう心理を表現したサスペンス映画
『ウイークエンド』
■監督ジャン=リュック・ゴダール
■主演
ジャン・ヤンヌとミレーユ・ダルク
■DVD発売元
アイ・ヴィー・シー
■おすすめの理由
楽しい家庭生活を送る中流家庭のデュラン夫婦が、ウイークエンドに恐ろしい事件に巻き込まれていくという映画です。騒がしい都会から抜け出し、静かな人気の少ない田園地帯へとバカンスへ旅立ちます。
とても楽しそうに旅立つのに、どんどんと笑顔が消えていってしまう夫婦の恐怖の姿がとても気の毒です。渋滞というテーマに、その渋滞が人々の心を曇らせ、ヒステリーな集団へと変化していく姿が恐怖な部分です。
パニックとなった集団が人々を次々と殺していき、そこら辺に血まみれの車と死体が落ちている部分も異様な部分で恐怖心を更に増幅させます。そんな中でもデュラン夫婦は、高価なバックなどの持ち物が無くなってしまった事を心配します。そういったところが、この映画のユーモアセンスを感じられます。
でも、やっぱり異常な場面を体験してしまった人は、異常な行動を起してしまうという心理も表現した映画です。最後に女性が生き残るという部分も、やはり女性はそういった心理状態の中でも逞しく生きるんだという事がよく分かり、面白い部分だなと思うサスペンス映画です。