美的センスによって統制された世界観
■作品名欲望(Blow Up)
■監督
ミケランジェロ・アントニオーニ
■主演
デヴィッド・ヘミングス
■DVD/Blu-ray発売元
ワーナー・ホーム・ビデオ
■おすすめの理由
60年代の名画、と言われて5本のうちには入らないだろうけど、10本には入るだろう映画と思います。
ネタバレになるので詳しくは触れませんが、ラストまで、はっきりこうというオチがあるわけではありません。
むしろ副次的要素、60年代のロンドン=モッズ・ムーブメント、及びそれに付随して、スコアがジャズ(ハービー・ハンコックが担当)とか、フランスの有名女優・歌手~アイコン的存在の実質デビューだとか、ヤードバーズの演奏シーンとか、やっている曲が日本の某ベテラン・ロックバンド有名曲の元ネタだとか……、60年代のロンドンやその周辺シーンに興味のある方には、たまらないカット満載です。
しかも、それをイタリア人監督が英語でつくっています。
この辺りは、例えば日本のカルチャーや伝統が欧米にウケたり感銘されたりするのと似ているような気もします。
本作をネタにした作品等も多く出たし、ごった煮と言うと表現は悪いけど、なんでもアリで、でも美的センスと言うのか、監督に負う部分が多いと思いますが、そういうものが全編を覆っていて、統制された世界観が感じられます。