近年の再評価がとても高い実力派シンガー

■アーティスト名
ちあきなおみ

■おすすめの作品
「喝采」「星影の小径」他

昭和歌謡の女王「美空ひばり」を認知する方は比較的に多いと思います。その美空本人をして「後継者となり得る逸材」と言わしめたのは、おそらく「ちあきなおみ」以外にはいません。

一時期は物まねのネタの歌手というイメージも強く、しばらくはあまり多くを語られる事がなかったように見受けられますが、ここ近年の再評価はとても高いようです。

芸事好きな母の影響から4歳でタップダンスを習い始め、
既に5歳の時には日劇で初舞台を踏み、10代の頃は全国をドサ回りをしていたという早熟なシンガーです。ハスキーで低音を魅力にしたその歌唱は、歌謡曲に限らず演歌やニューミュージック、スタンダード・ジャズとも相性が良く、数々のジャンルを歌いこなしてきました。

その中でも極めて頂点に位置するだろう傑作は、ポルトガル民謡である「ファド」というジャンルに挑んだ洋楽カヴァーアルバム『待夢』じゃないでしょうか?アマリア・ロドリゲスのカヴァ曲「霧笛」を唄う彼女は、まさに女の情念、別れを告げる男のグラスにそっと毒をもってしまう、思い込みが激しい女の悲しい性(さが)を表現しています。

92年に夫の郷えい治と死別し、そのショック故に一切の芸能活動を休止、殆ど外部との接触もせず隠遁生活をしたままです。しかし以降、毎年のように出されるベスト盤、ボックスセット等のCDリリースが好調な売れ行きというのも皮肉なものです。それだけ今最も復活を期待されている実力派フィメール・ヴォーカリストの証しなのだと思います。




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