美食家が集う錦市場の極上寿司「ひご久」(4ページ目)

ネタとしゃりの一体感に心酔

そして一息ついた後は、いよいよ握りです。まずは中トロと鯛。鮮度は無論ですが、一口食べてハッとしたのはしゃりの大きさ。ネタとの一体感が素晴らしく、また一口で頬張っても口いっぱいにならないのです。

「寿司は個人に握るのが基本。しゃりの大きさや、わさびの量などお客様に合わせて握っています」と大将。様々な地で、日々色々なお客様と向き合ってきた大将ならではの小さなこだわり。こうしたところが客を呼ぶのでしょう。
思わず「きれい！」と声を上げたのがイカ。見てください、この細やかな仕事を。食べてしまうのがもったいないでしょう？ 上にチョコンと乗っているのはゆずこしょう。イカの甘味をグンと引き出しています。
江戸前の定番ネタであるコハダとマグロの漬け。コハダを醤油につけると、皿にパッと脂が広がります。照りの美しさに見惚れるマグロの漬けは、仕事の丁寧さを舌で感じる味でした。