医療保険/医療保険の保障内容と保障額の決め方

長期入院への備え方(2ページ目)

病気などで入院した時の平均入院日数は短くなってきていて、それに合わせて民間の医療保険で保障される入院の限度日数も短くなってきていますが、もし長期間入院することになった時は大丈夫なのでしょうか? 長期入院した時への備えについて考えてみました。

松浦 建二

執筆者:松浦 建二

医療保険ガイド

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長期入院への備えは公的制度で備える

まずは公的制度を頼りにしたい

まずは公的制度を頼りにしたい

長期の入院になってしまった場合でも、公的な健康保険には高額療養費の制度があるので、治療費をある程度は抑えることができます。
参考記事……高額療養費制度の基本

また、国や都道府県が指定した難病については医療費を助成してもらうこともできます。例えば東京都には東京都難病医療費等助成制度があり、100種類程度の疾病について患者一部自己負担額を控除した額を助成してもらうことが可能です。

公的な制度だけでは不安は場合は、私的にも貯蓄をしたり医療保険に加入したりして備えると良いです。

医療保険の保障限度日数を長くして長期入院に備える

生命保険会社などが販売している医療保障の保険には、主な保障として病気やケガで入院した時に1日あたり5000円や1万円を受け取れる(実費分を受け取れる場合もあり)入院給付金保障があります。しかし、この保障には通常1回の入院で保障してもらえる日数に限度があり、最近は60日間が主流となっています。そのため、前ページのような長期の入院をした場合は、限度日数(60日等)を超える分については保障の対象外となってしまい、給付金を受け取ることはできません。

もし長期入院した時も保障してもらいたいなら、1回の入院での限度日数が長い医療保険を選ぶ方法があります。主流は60日型ですが、実は730日型や1095日型を用意している医療保険もいくつかあります。以下に商品例を挙げましょう。
  • 総合医療保険(ソニー生命): 1回の入院での保障限度日数は「730日型」も選択可能
  • &LIFE 新医療保険α(三井住友海上あいおい生命): 1回の入院での保障限度日数は「1095日型」も選択可能
  • 新終身医療保険F4・新医療保険F4(メットライフアリコ): 1回の入院での保障限度日数は「730日型」も選択可能
保障限度日数が730日や1095日もあればかなり安心できる備えにはなりますが、保障内容が手厚くなる分、支払う保険料は60日型に比べて多く負担しなければなりません。その他、特定の疾病に限って保障限度日数を延ばしたタイプの医療保険もあります。
  • 新CURE(オリックス生命): 三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)の場合は入院日数を無制限
  • 終身医療保険プレミアム(チューリッヒ生命): 保険会社所定のストレス性疾病の場合は365日へ拡大

長期入院専用の医療保険もある!

先に挙げた医療保険は長期入院へ備えるのに適していますが、既に60日型の医療保険に加入しているような場合は、同じ保険会社であっても保障内容の変更で対応することができず、新たに追加で加入するか、加入し直さなければなりません。ところが中には、既に加入している医療保険を活かしつつ長期入院にも備えられるよう、長期入院のみを保障対象とした医療保険もあります。
  • ロング(楽天生命): 継続して61日以上入院した場合61日目から保障対象(1入院・通算ともに1095日が限度)
継続して61日以上入院しないと保障対象にならないことから、給付金を受け取る機会は少なそうですが、保障を長期入院に限定した分、かなり手頃な保険料が実現しています。


入院日数が短くなり、医療保険の保障限度日数も短くなったからこそ、長期入院への備えも考えておきたいところです。備える手段はいろいろあるので、安心できる生活を送れるような自分に合った方法で備えておきましょう。
 

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