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執事モノの元祖「ジーヴス」ファンが急増中!

P.G.ウッドハウスの「ジーヴス」シリーズは、執事をメインキャラクターにした物語の元祖ともいえる名作です。勝田文による漫画、5月に発売されたDVD「天才執事ジーヴス」(第2弾は6月25日発売)も大人気で、ファンが急増中! その魅力とは?

石井 千湖

執筆者:石井 千湖

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腹黒執事にダメ出しされたい


流行りの花柄パンツを買って、ジーヴスに「ご主人様にはお似合いではございません」とダメ出しされたい。
ジーヴス

帯のコピーもいちいちおもしろい。



お気楽な青年貴族バーティーと有能すぎる執事ジーヴスが活躍するシリーズは、イギリスの国民的人気作家、P.G.ウッドハウスの代表作。

主人公のバーティーは、働かなくても食べていける、実にうらやましい身分の若者である。毎日ぶらぶら遊んでいるのだけれど、怖い伯母さんが持ってくる無理難題に悩まされたり、恋多き友人が起こすトラブルに巻き込まれたりしたときに、執事のジーヴスが助けてくれるのだ。

ジーヴスは二日酔いを解消するドリンク作りから競馬の予想まで、何でもできる切れ者。主人にも礼儀正しく忠実だ。ただし、服装にだけはとても厳しい。バーティーがちょっと派手な格好をすると「ご主人様にはお似合いではございません」と言う。流行に敏感なバーティーはジーヴスが何と言おうと着ようとするのだが……。結局は、ジーヴスの思惑通りになる。腹黒なジーヴスにいいように操られているのに笑ってしまうのは、バーティーが可愛いから。

バーティーの可愛さに癒される

大の男なのにお風呂で使うアヒルのおもちゃが似合う。変人揃いの友達や知的で気が強い女性に振り回されても怒らない。おバカな言動でいつも事態をややこしくしてしまうけど、悪意ゼロ。どこまでも呑気でお人好しなバーティーに対するジーヴスの愛情が伝わってくるから、騙されても和やかな気持ちになるのですね。

英国首相もつとめたトニー・ブレアは「公務の重圧で大変なとき、いつも私はウッドハウスを読み返す」と語っているが、よくわかる。わたしもちょうど「天才執事ジーヴス」のDVDが出たときに仕事で嫌なことがあったのだが、バーティーを観ていたら苛立ちを忘れてしまった。

「モンティ・パイソン」や「ミスター・ビーン」、森見登美彦の「腐れ大学生もの」が好きな人にもオススメ。小説はたくさんありすぎてハードルが高いという人は、ドラマや漫画からどうぞ。ハマると原作も絶対に読みたくなるはずだ。

ドラマの予告編は国書刊行会のサイトで視聴可能。

漫画『プリーズ、ジーヴス』も白泉社のサイトで立ち読みできる。

小説を最初に読むなら『比類なきジーヴス』。訳者の森村たまき氏のTwitterをフォローすれば最新のウッドハウス情報がわかる。

楽しい楽しいウッドハウスとバーティー&ジーヴスの世界へ、行ってらっしゃいませ。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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