上昇率と下落幅
今年の傾向としては、前年に上昇率が高かった地域の下落幅が大きいということが挙げられます。昨年は、県庁所在都市の最高路線価が上昇したのは、東京を含め計25都市でした。上昇率のトップが仙台市で39.8%、続いて横浜市の38.4%など11都市で上昇率が20%以上でした。
ところが、昨年上昇率トップだった仙台市は、今年全国第4位の下落率、横浜市は全国第3位の下落率となりました。
仙台市の中心部や横浜市は、マンションやオフィスビルの建設が相次いでいました。昨年までの上昇の反動にプラスして、昨今の不況の影響が色濃く出た結果ではないでしょうか。
今年の路線価から考えられること
昨年9月のいわゆるリーマンショックの影響で、全国的な下落に拍車がかかりました。金融市場の混乱や、不動産投資が大きく減少していることが理由とされています。
都市部では、オフィスの空室率も上昇しており、「ミニバブルの崩壊」とも言われています。
今年3月に公表された公示地価も住宅地、商業地ともに3年ぶりにマイナスに転じたことは記憶に新しいところです。下落基調であることが、改めて浮き彫りになったといえます。
また、路線価は1月1日時点で算出されるため、現時点でもまだまだ厳しい状況と言えるでしょう。
不動産を取り巻く状況は、悪化の一途をたどっています。このような厳しい状況の中においては、不動産投資を行う上でも目安の一つとして路線価の変動状況を見ておくことが大切だと思います。既に不動産投資を行っている方も、これから不動産投資を検討されている方も、国税庁のホームページで平成19年分、平成20年分、平成21年分と3年間分の路線価を確認することができますので、一度確認されてみてはいかがでしょうか?