もし無効判決なら今後の行方は?
今回の判決結果を受けて、今では様々なメディアがこの話題に注目しており、また様々な憶測が飛び交っております。特に今回の判決は、7月に続いての2例目という事もあり、更新料は無効という流れが出来つつあるのではないかと予想されているようです。
もし、本当に更新料が無効となれば、一体どのような事が予想されるでしょうか?
まず一番に考えつくのは、全国的に更新料の返還訴訟が起こりうる、という点でしょうか。
昨今、巷を賑わせている貸金関係の過払い金請求と似た状況になるのではないか?と言う方もいらっしゃいます。
今回の判決では、消費者契約法が理由にあるため、それが施行された平成13年4月1日以降に更新料を支払われた多くの方が、無効だからと更新料の返還を求めて訴訟に踏み切る可能性があるでしょう。
並行的に、家賃の一斉値上げ、という可能性も十分にあります。
そもそも更新料は、家賃の前払いという性質を有すると考えられているため、更新料の1/24程度を毎月の家賃に上乗せする、といった事も考えられます。もっとも家賃の値上げは供託という対策や空室率の上昇等を招きかねないため、簡単にはいかない気もしますが・・・。
今はどうするべき?
今回の判決は多くの話題に上っておりますが、まだ確定しているわけではありません。最高裁へ上告されるとして、その判決が出て初めて効力が出てきます。しかし、繰り返しになりますが、もし本当に無効判決が確定すれば、大家、借家人共に非常に多くの方に影響を及ぼす内容となります。
また、今後借りる予定の方や、今後賃貸経営を初めてみようと思われる方をも巻き込んだ、かなり大がかりな内容となるでしょう。
それだけに、実際に判決が確定したらどうするか、事前に対策を検討しておきたいところです。
まずは、過去におけるご自身の賃貸+更新履歴を思いだして、確認しておくと良いかと思います。
また、将来的にこの問題に関与しそうな方は、今後の活動を再検討される事をお勧め致します。
なお、今回の問題は大家と借家人の問題、というより間に入っている仲介業者の問題であるとも言えます。
多くの仲介業者が大家の代行=賃貸管理者なので、しっかり借家人のことを意識して対応すれば、今後もそれほど問題も大きくならないのではないか、と思います。
それが今までできていなかったからこそ、このような問題にまで発展したのかもしれません。
この問題は、一体どのような結果が待ちうけているのでしょうか。
次回は貸す側、借りる側の双方の視点を掘り下げて見てみたいと思います。
こうご期待。