ドラマ/大河・時代劇

『八重の桜』大河ドラマは歴史の行間を読め

『八重の桜』が不調な原因は見ている人なら意見はほとんど同じはず。ヒロインから遠く離れた京都を中心に幕末の事件が展開するから。大河ドラマとしてはもっと大胆に「歴史の行間を読む」ことが必要です。

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

ドラマガイド

大河ドラマ『八重の桜』が不振です。最後まで不調のままだった昨年の『平清盛』と視聴率をグラフで比較してみました。
『八重の桜』と『平清盛』視聴率比較

            『八重の桜』と『平清盛』視聴率比較


初回は視聴率21%強をマーク。出足は好調でしたが、徐々に下がっていき、第10回は『平清盛』より下。その後も勝ったり負けたりというレベルです。


会津と京都の二本立て

なぜ不振なのか? それは見ている人はほとんど同意見でしょう。会津にいる主人公・八重(綾瀬はるか)周辺と、京都にいる兄・山本覚馬(西島秀俊)ら会津藩士が幕末の事件に関わるという二本立てで進行し、その二つが遠く離れて展開しているから。

幕末を会津藩視点で見るというドラマはなかなかないので最初は興味深かったのですがさすがに長過ぎます。

八重の一生から考えてガイドが事前にイメージしていた『八重の桜』の進行は、会津藩の敗北・新島襄(オダギリジョー)と結婚するまで・結婚後がそれぞれ1/3。ところがこれを書いている時点で最新の5月26日放送の第21回で鳥羽伏見の戦いが終わったところ。このペースだと鶴ケ城落城は折り返しの6月では収まりそうにない、7月、いや8月になるかもしれません。

以前に大河ドラマで会津藩を扱った1980年の『獅子の時代』と比較してみます。会津藩士・平沼銑次(菅原文太)はスタート当初はパリ万国博覧会の幕府派遣の使節団に参加、帰国したのは2月17日放送の第7回で江戸城無血開城の後。すぐに戊辰戦争に突入して、落城するのは3月23日放送の第12回。『八重の桜』と比べるとアップテンポで進行しています。

メインの幕末ストーリーがここまで主人公・八重と関係なく進行しているとドラマ的にはちょっと苦しい。


次は「なぜこんな二本立てに?

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