供給数が5分の1まで低下した中央区
2005年までワンルームマンションを中心に大量供給が続いた中央区。一時は年間3,000戸を超えるほどでしたが、2006年は1年間で714戸に減少し、2007年1月~11月も678戸にとどまりました。ピーク時の5分の1ほどに減っているのです。「マンションを建設できるまとまった土地がなくなり、あったとしても商業地として活用されるようになっています。以前のような大量供給は、当分は期待できないでしょう」(前出・中山氏)
2007年1月~11月の平均坪単価は309.5万円でした。2006年1年間の平均は289.0万円でしたから、7.1%のアップですが、2005年は243.1万円でしたから、この2年間では3割近く上がっていることになります。
意外に上昇率が低い新宿区のマンション
2007年1月~11月の新宿区の平均坪単価は339.4万円。2006年は323.6万円でしたから、上昇率は4.9%ほどにとどまっています。最も低かった2003年と比べると20.8%のアップですが、都心の他の区をみると、港区や渋谷区はこの数年間で6割、7割と上がっていますし、比較的上昇率の低い中央区でも27.3%、文京区も35.1%となっていて、新宿区の上昇率は意外に低いようです。都心エリアだけではなく、南エリアの各区でもこの数年で3割前後の上昇になっています。新宿区はそれに比べても上昇率が低く、価格面では狙い目のひとつといってもいいかもしれません。
文京区の平均坪単価は新宿区より上位に
文京区の2007年1月~11月の平均坪単価は356.2万円で、2006年と比べると17.9%のアップとなっています。2006年の平均坪単価は新宿区より低かったのですが、2007年は逆転して都心エリアでは渋谷区・港区・千代田区に次ぐ水準となっています。2004年の平均坪単価のボトムからみると、この3年間で35.1%の上昇率となっています。ただ、「2007年の場合、住宅地として人気の高い本郷に、総戸数207戸の大規模マンションが坪単価400万円台で分譲された影響が大きく、これが文京区の平均坪単価を大きく押し上げています」(東京カンテイ市場調査室主任研究員・井出武氏)
2008年以降もこの価格水準が維持されるのかどうか、やや不透明な面もありそうです。
■都心 新築マンション供給動向
(単位:坪単価=万円、平均専有=m2)
市区名 | 2002年 | 2003年 | 2004年 | 2005年 | 2006年 | 2007年 1~11月 |
|
中央区 | 分譲戸数 | 2751 | 2849 | 3646 | 3099 | 714 | 678 |
平均専有 | 45.21 | 46.39 | 48.69 | 56.66 | 55.13 | 52.57 | |
坪単価 | 258.6 | 263.8 | 246.9 | 243.1 | 289.0 | 309.5 | |
新宿区 | 分譲戸数 | 2230 | 3347 | 2509 | 1577 | 1925 | 785 |
平均専有 | 57.20 | 47.66 | 51.56 | 51.00 | 49.54 | 52.21 | |
坪単価 | 287.9 | 280.9 | 286.8 | 307.8 | 323.6 | 339.4 | |
文京区 | 分譲戸数 | 1485 | 2089 | 1959 | 1758 | 878 | 920 |
平均専有 | 58.24 | 60.97 | 56.88 | 50.39 | 58.41 | 52.34 | |
坪単価 | 274.8 | 271.3 | 263.7 | 288.3 | 302.2 | 356.2 |