上級機の高音質技術をふんだんに投入
ダイヤトーンのDS-G20(63,000円)もおすすめのスピーカーだ。価格はケンウッドKFC-XS1700の2倍はしないが6万円台。オーディオに興味が無い人は「高い!」と思うだろうが、少しでもオーディオに興味があり、音を聴いてみたら「安い!」と思うはずだ。なにしろベースは15万円のDS-G50。それと同じ素材のカーボンナノチューブ技術を使ったNCV振動板を採用しつつ、フレームを樹脂製に変えたり、磁石をフェライトに変えたりしてコストダウンを図った結果、大幅なコストダウンに成功したスピーカーなのだ。そのため、音の傾向もDS-G50に非常に近い。一言でいうと、情報量が多く、レスポンス抜群。振動板が薄く軽くなっているぶん、DS-G50よりもレスポンスがいいのではないか、と感じるほどだ。情報量は、組み合わせたダイヤトーン・サウンドナビの良さでもあるのだが、低音までしっかりと情報量が確保されているのが、このスピーカーの特徴のひとつ。車載時は低音が膨らむことをあらかじめ考慮して、DS-G50やサブウーファーのSW-G50と同じハイダンピング設計とし、制動力を高めている。そのおかげで、車載状態でもダブつかない、解像度の高い低音が楽しめるのだ。ベースの音程がはっきりと聴こえるあたりからも、それがわかる。
もうひとつの特徴は、トゥイーターとウーファーに同じ素材の振動板を採用することで、音色のつながりが非常に良いこと。セパレート2ウェイスピーカーの場合、トゥイーターを高い位置に設置することで、音場を高く持ち上げることができる反面、トゥイーターとウーファーの音色があまりに違いすぎると、高域と低域が別々に聴こえて馴染まないという弱点も併せ持っている。その点、DS-G20なら同じ振動板なので、高域から低域まで一体感のある音。セパレート2ウェイなのに、ものすごく再生レンジの広いフルレンジスピーカーのような音だ。
レスポンス、解像度、音の一体感など申しぶんなし!
デモカーはマツダCX-5で、ウーファーはドアの純正位置、トゥイーターはダッシュボード上に設置していたが、ダイヤトーン・サウンドナビのマルチウェイ・タイムアライメントやイコライザーでしっかり調整しているおかげもあって、運転席を中心とした立体感のある音場を展開。情報量もレスポンスも申し分なく、ライヴ音源などは、実際のライヴ会場にいるかのような感動に浸れる。ダイヤトーンは最近、毎週末に全国のどこかで、ダイヤトーン・サウンドナビの試聴会を開いているが、オーディオに興味がない人でも一度デモカーに乗って音楽を聴いてみると「クルマでこんなに良い音で音楽が楽しめるのか!」と、きっと驚くはず。試聴会情報は、こちらでわかるので、近くで試聴会があったらぜひ出かけて試聴してみるべきだ。海外ブランドのスピーカーにも注目!
ここまで国産スピーカー3機種を紹介してきたが、5~6月にかけて、新しいスピーカーを発表する国内メーカーもまだありそう。また、国産スピーカーよりも個性のある海外スピーカーが好きという人のために何機種か紹介しておくと、アメリカ代表はJBLのGTO609C(29,400円)という16センチ・セパレート2ウェイスピーカーがなかなかいい。アメリカン・スピーカーらしい、ドライな音色のエネルギッシュなサウンドで、アメリカン・ロックやブルーズなんかを聴くのにピッタリ。またフランスのフォーカルから新しくでるISN165(47,250円)というスピーカーも注目したい。このスピーカー自体、まだ試聴したことはないが、歴代フォーカルのスピーカーの特徴として、優しく暖かい音色が特徴。とくにリアルに聴こえるヴォーカルが、大きな魅力で、おそらくこのスピーカーも、その良さがあるはずだ。
音が良いAVナビを手に入れたなら、スピーカーが純正のままではもったいない。カーナビ導入時には、スピーカー交換を念頭においた予算組みを考えたい。
・アルパイン
・ケンウッド
・クラブダイヤトーン
・JBLカーオーディオ(ハーマンインターナショナル)
・フォーカル(アルファ)