太極拳/太極拳

太極拳を行う前の準備運動!やり方のポイントとは

太極拳の動きを行う前に、まずは全身の18箇所の球運動が可能な部分をゆっくりと動かしていきます。実はとても大切な準備運動。この動きを行うことで、スムーズに太極拳の円運動に取り組んでいくことができます! ぜひ参考にしてみてくださいね。

執筆者:横山 春光

<目次>

心地良く太極拳を行うための大切な準備運動

太極拳の準備体操

太極拳の運動効果を高めるためにも準備運動は必ず行いましょう

運動が苦手な方でも無理なく続けられるのが太極拳の最大の魅力ですが、太極拳に興味があるけれど、なかなか一歩を踏み出せない、という方の多くに「体がかたいからできるかしら?」という不安があります。

そして、勇気を出して太極拳教室に通ってみたけれど結局続けられなかった、という原因のナンバーワンが、「動きをおぼえられなかった」という心理的負担です。

この2つを同時に解決してくれるのが、太極拳の準備運動です。


「柔軟」という言葉がありますが、太極拳に必要なのは単に体がどれくらい曲げられるかという「軟」ではなく、体全体を協調して柔らかく動かす「柔」となりますので、どんなに体がかたいと感じている方でも、自分に合った動きからはじめられます。

しかし全身を使って行う協調運動はとても抽象的で高度な動きです。

そこで、まずは準備運動として具体的に体の中にある18箇所の球運動が可能なポイントを動かしていきます。

一つ一つのポイントをゆっくりと丁寧に磨いていくように動かしますので、シンプルで心地良く、精神的にも落ち着きます。

優しい心で体のお手入れをしてあげることで、不安やプレッシャーを感じなくなりますので、心身ともに自然な状態に整い、太極拳の動きをスムーズに受け入れることができます。

また、準備運動だけでも十分に体が温まり充実感を得られますので、「動きはゆっくりおぼえていこう、まずは準備運動から続けていこう!」という積極的な気持ちになれます。
 

太極拳の準備運動

まずは具体的にどのポイントを動かすのかを見ていきます。
全部で18箇所ありますが、わかりやすく体の上部からリストアップします。
  • 両肩(2箇所)
  • 両肘(2箇所)
  • 両手首(2箇所)
  • お腹
  • 両腎(2箇所)
  • 両股関節(2箇所)
  • 両膝(2箇所)
  • 両足首(2箇所)
※上手に行うコツは、ゆっくりと優しく心地良さを感じながら、疲れる前に次のポイントに移ることです。決して無理をする必要はありません。
 

では、実際に動いてみましょう!

手を交差して深呼吸します

手を交差して深呼吸します

1. まず、両足を肩幅に開いて立ち、両手の指を交差して深呼吸をします。

2. 頭の中に透明な水をイメージして軽く首をまわします。

3. 心が落ち着いたら、手首をクルクルまわします。

【ポイント】
首は繊細な部分なので、まわし過ぎないようにします。
 
肘をまわす

肘をまわす

4. 軽く体を揺らしながら両肘で水平に円を描きます。 ちょうど水泳の平泳ぎと逆の回転になります。

【ポイント】
心地良い水流をイメージします。
 
肩をまわす

肩をまわす

5. 手の指を軽く肩に乗せ、両肩の関節を前後にまわします。

【ポイント】
両肩と一緒に、胸の開合を意識します。

【ステップアップ】
スムーズにまわせるようになったら、一連の動きに伴い背骨が波運動をしているのを感じます。
 
肩甲骨を緩めます

肩甲骨を緩めます

6. 肩甲骨を優しく開きます。

【ポイント】
こっているからといって、ゴリゴリと力むと逆効果。
血行を促すためにも、あくまで優しく!を心がけます。
 
腰と股関節をまわす

腰と股関節をまわす

7. 両手を腰にあて、静かに腰と股関節をまわします。

【ポイント】
手のひらで腰の筋肉が動いてきるのを感じます。
小さな円で柔らかくまわすと、体の深層部分が動き出します。
 
両膝をまわす

両膝をまわす

8. 手のひらで両膝を温めるようにまわします。

【ポイント】
手で上半身の重さを膝に乗せないようにします。
 
膝がつま先を越えないようにする

膝がつま先を越えないようにする

9. 膝の可動範囲の正しい位置を確認します。

【注意点】
膝は決してつま先を越えないようにします。
太極拳の基礎となる大切な要求です。
準備運動の段階で思わぬケガを防ぎましょう!
 
膝を前に動かすときの正しい位置

膝を前に動かすときの正しい位置

【膝の正しい位置】
膝は生涯に渡り最も酷使する関節です。心をこめて優しく磨くように大切に動かします。
 
足首をまわす

足首をまわす

10. 足首をクルクルとリズミカルにまわします。

【ポイント】
つま先を少し後ろに置くとまわしやすくなります。


 

準備運動の後のリラックス法

最後に、全身を伸ばして更なるリラックスを目指します!
 
息を吸ってつま先で立つ

息を吸ってつま先で立つ

1. 手を組んで、息を吸いながらつま先で立つ。

【ポイント】
視線は水平にして、遠方を見ることで心と体が解放されます。
 
息を吐きながらフワリと着地

息を吐きながらフワリと着地

2. 息を吐きながら一気にかかとでフワリと着地します。

【ポイント】
腕が自然に止まるまで、前後に揺らしたままにします。
 

1と2を数回繰り返したら、準備運動は終了です。

この時、体は温まってゆるんでいる状態ですので、喉の渇きを感じたら冷たい飲み物は避け、常温の水で水分補給します。

体力と時間に余裕のある時は、足を大きく開く運動などを少しずつ取り入れていくと、準備運動で動かした細かな筋肉と、全身を支えている大きな筋肉が連動して動くようになり、基礎代謝が上がります。
 
準備運動で全身の可動ポイントを動かしていくと少しずつ体が柔らかくなります

準備運動で全身の可動ポイントを動かしていくと少しずつ体が柔らかくなります

太極拳の準備運動の考え方はとてもシンプルです。
自分の体がどのように動くのか、心と体で感じていく作業です。

感じるだけで体は自己調整機能により整っていきますので、自然に太極拳の動きを行えるようになります。

☆太極拳についてもっと知りたい方はこちら...>> 「太極拳の基礎知識」

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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