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次期型ISのプロトタイプに試乗してみた

間もなく発表されるレクサスの新型車『IS』のプロトタイプに試乗した。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

次期型ISを買うのなら、Fスポーツに試乗してからグレード選びを

間もなく発表されるレクサスの新型車『IS』のプロトタイプに試乗した。ISはBMWの3シリーズやベンツCクラスと同じクラスに属す。本来ならレクサスの売れ筋モデルになると思われていたものの、伸び悩んでしまう。ライバルと乗り比べたら明らかに劣る乗り味の質感や、存在感の薄いデザインが厳しかったかもしれない。
レクサスの新型車『IS』のプロトタイプ

レクサスの新型車『IS』のプロトタイプ


トヨタもISの弱点をキッチリ認識していたらしく、写真を見て頂ければわかる通り、なかなかカッコ良いクルマに仕立ててきた。BMWであれば3シリーズというより、5シリーズに近い押し出しの強さを持つ。ただボディサイズは全長4665mm×全幅1810mmで案外コンパクト。3シリーズが4625mm×1800mmだ。

実際のサイズより小さく感じる現行ISと対照的だ。エンジンラインナップは現行モデルと同じくV6の2.5リッターと3.5リッター。さらにクラウンと同じ2.5リッター4気筒のハイブリッドモデル(IS300hというグレード名)も加わった。クラウンと同じく燃費の良いハイブリッドが売れ筋になると思う。

前置きはこのあたりにして試乗といこう。まずスポーティな足回りを持つハイブリッドの『Fスポーツ』から。Dレンジをセレクトして走り出すと、素晴らしい足回りに驚く! 高速走行まで対応出来るスタビリティの高さを持ちながら、乗り心地が抜群に良い! BMWのスポーツグレードと真正面から勝負したって負けていない。

日本車もやっとこのレベルに到達したのね、と感心しきり。ハンドルを握れば誰でも「いいね!」したくなると思う。2.5リッター4気筒のハイブリッドは「必要にして十分なパワー」。後でハンドルを握った3.5リッターの強烈なパワーにこそ届かないものの、2.5リッターより余裕を感じる。ハイブリッドがおすすめだ。

Fスポーツを除く足回りも悪くない。「ヨーロッパ車のレベルに届いていますね。最高でしょう!」とまでは言えないまでも、上質な乗り心地と素直なハンドリングを実現している。ということで次期型ISを買うのなら、Fスポーツに試乗してからグレード選びをして欲しい。エンジンはご予算に応じてどうぞ、と書いておく。
レクサスの新型車『IS』のプロトタイプ

レクサスの新型車『IS』のプロトタイプ


大いに感心して装備リストを見たら「あらら?」。今やコンパクトカーにも装備される追突事故防止ブレーキがオプション設定されていない。この手の安全装備、トヨタは消極的ながら、クラウンでも選べる簡易型の自動ブレーキすらなし。私の場合、残念ながらこの時点でショッピングリストから消えてしまう。

ハイブリッド以外のエンジンは、これまた今やアメリカの車を除きすべてのモデルに付く(ポルシェにさえ付く)アイドリングストップがない。ソフィスティケートされた人なら、信号待ち中のアイドリングは苦痛。さらに重大事故形態でもっとも多い『スモールオーバーラップモード』に対応していないという。良いクルマだけにもったいないと思った。
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