保健師/保健師とは

私的データでみる最近の保健師

これまで私が取材してきた全国の若手保健師たちについて、興味深いデータをご紹介します。サンプル数は64名。いずれも2007年から2012年にかけて私が直接お会いし、じっくり2時間以上かけて話を聞いてきた入職3年以内(当時)の方たちの話です。

西内 義雄

執筆者:西内 義雄

保健師ガイド

看護師経験は必要か?

保健師を目指す皆さんが一度は持つ悩みに「臨床(看護師)を経験しておくべきか」があります。せっかく取得した資格だから、一度は看護師としてを現場を経験した方が良いのでは、との考えから生まれるものです。これに対し、
「将来必ず役立つからぜひ経験しておこう」
と勧める方もいますし、
「保健師としてのキャリアを早く始めたほうがいい」
という方もいます。とても悩ましい問題ですね。

私なりの結論を書きますと、この疑問に正答はないと思っています。若手保健師に取材してきた経験でも、どちらが良いのか明確に答えられる人はいませんでした。

経験者は22%

看護師を経験するべきか

看護師を経験するべきか

では実際のデータはどうでしょう? 64名中看護師を経験していたのは14名の約22%。自ら看護師として経験を積んでおこうと考え、3年をひとつの区切りとして考えているケースが多かったです。ただし、3年が終わった時点で希望する地域に求人がある保障はどこにもないので、看護師2年目くらいから情報を集め始めていたとの話をよく聞きました。学校卒業時に保健師になることは考えていなかったものの、病院で予防をしっかりしていれば悪化することのなかった患者さんに接し、気が変わった方もいます。

一方、新卒で保健師になったのは64名中34名の約53%。他の職種に比べると新卒率は低いかもしれませんね。
正職員での就職が叶わず、臨時や嘱託の経験者は10名(約16%)。うち、同じ自治体で正職員になったのは5名(約8%)です。


他にこんな経験も

助産師の資格を持っている方が3名(5%)いました。3名とも資格を生かして助産師として働いた経験がある方ばかりです。保健師に関連する資格に養護教諭もありますが、実際にこの資格で働いた経験があるのはひとりだけでした。

社会人として看護とは無縁の世界で働いていたのに、再び学校に通い資格を取得した方は2名(約3%)。前職は民間企業の人事部と建築デザイナー。ふたりとも一般の大学を卒業して就職。その後退職して再度大学に入りなおして資格を取得しています。

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