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キプロス問題で金が暴落!今後上がる?下がる?

キプロスがEUから救済を受けるに当たり、資金捻出のため大規模な金の売却が行われるとの懸念で金価格は暴落。金価格は下落トレンド入りしたように見えます。しかし超長期で考えれば別のシナリオも見えてきます。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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金価格が下落トレンド入り!?今後上がる?下がる?

金価格が下落トレンド入り!?今後上がる?下がる?

金価格が下落トレンド入り!?今後上がる?下がる?

最近まで、日本では円安のため、円ベースの金価格が上昇してニュースになりましたが、国際的な金の直近限月先物価格は2013年4月12日に暴落しました。理由は金融危機に陥ったキプロスがEUから救済を受けるに当たり、資金捻出のため大規模な金の売却が行われるとの懸念が出たことです。金価格は一気に60ドル以上も暴落し、長らく死守してきた1500ドル台中盤の下値抵抗ラインを一気に下抜け、一時1482ドルまで下がりました。最高値から20%を超える下げ幅はベアトレンド領域に入ったと言われますが、これで金価格は下落トレンドがより鮮明となったと言え、長期投資も撤退すべきところと思います。

金価格は抵抗線を下抜けて暴落

金価格は抵抗線を下抜けて暴落


もっとも、1500ドル割れ水準は金のリザーブが不足している新興国から安値拾いの買いが入る可能性もあります。その事でここらが底となって支えられるという推論に基づく期待も可能です。しかし、そのような推論より長期チャートが示す方向性が正しい場合が多く、ここから下値模索が始まり、次の安値ラインである1400ドル近辺、さらに下の1200ドル台まで下落が進む可能性もあると考える方が妥当ではないかと思います。株価でも「まだこの会社は利益もしっかり出しているので、下落トレンドに進むのはおかしい」と推測(期待)して粘っても、結局下落転換したチャートの方向感の方が正しかったことが良くあります。過去の例で言えば、任天堂、アップル、バイドゥなどが思い浮かびます。

5年タームの超長期で考えれば、
金価格再騰シナリオも見えてくる

しかし、長期のさらに上の「超長期視点」で見ると、チャートや需給等を超えた別のシナリオも描けます。これは当たるかどうか分かりませんが、歴史的な金・ダウレシオと超長期サイクルはまだ先の大幅上昇枠を残します。

例えて見るなら以下の1974年~1976年にかけて半値水準まで調整したパターンを参考にできます。当時すでに35ドル水準から200ドルまで上昇した金は、次の2年で大きく冷やされました。ニクソンショックで金の兌換が停止され、紙幣が無制限に印刷できるようになり、金価格は無限大に上昇するかと思われた矢先の、大方を出し抜くようなひどい暴落でした。

しかし、この暴落後に金価格は800ドルへ向かって最後のバブル上昇へと向かったのでした。現在の10年を超える金価格の上昇には、最終バブルらしい異常な上昇がまだ起こっていません。これだけの長期的大相場がこのまま静かに終わるというのは非常に不思議な気がします。前述のように長期チャートは撤退を示していますが、それを超えた超長期推測なら、このような見方も残すところだと思います。

考えられるシナリオとしては、現在の日米の大規模金融緩和によりバブルが発生し株価は高騰。その期間、金価格は低迷を続けるかもしれません。しかし、その後どこかの時点で株価のバブルが弾け、2008年の金融危機のような状態になった時に実物資産が見直されて安値になっている金に一気に資金が流入して、金バブルが起こるシナリオが想定できます。

参考:グローバルグロースレポート

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